宮本 輝 講談社

数年前にポルトガルに行った。
スペインを回るツアーを申し込んだら、ポルトガルも入っていた。そんな感じで偶然のように行ったのだが、ロカ岬に行くときにガイドさんがこの小説を紹介してくれたので、帰国したら読んでみようとずっと思っていた。
手にとってみると、男性作家の書いた、女性の視点からの恋愛小説らしかったので、どうしても買う気が起きずに挫折。今年、古本屋で買うものがなかったので、ついに買ってしまい、読んでみた。
読んでみたら、多少古臭さは感じるものの、読みやすい文章だった。上巻までは大当たりだと思って一気に読んだ。
下巻からは、残念ながらペースダウン。今まで共感を覚えていた主人公の行動に、納得がいかなくなったせいだと思う。別に許せないというほどの行動ではないし、「ちょっとぐらい好きなことをして何が悪い」という作中の言葉には頷いたのだが、一度主人公を突き放してしまうと共感は戻らないらしい。
いつ主人公が友達に謝るんだろうと、そればっかりが気になってしまい、あまり物語に集中できなかったせいもあるかもしれない。
私がとくに好きなのは、主人公と父親の心の交流と、梶井と由加が霧を見に行く場面だった。

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