東京奇譚集

2006年1月16日 読書
村上 春樹 新潮社 2005/09/15 ¥1,470

既読の方向け感想

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短編集なので読みやすかった。
著者の最近の傾向なのか、短編だからか知らないんだけど(図書館行かないから読んでない…)、引っ掛かりが少なくて、文章自体も読みやすかったんじゃないかと。
どの話もちょっと不思議なのに、淡々と終わっていく印象。
ストーリー自体は最後まで説明もないし、中途半端な作品が多い。これがエンターテイメントな作品だったら、間違いなく「ちゃんと書いてよ」って苦情のひとつも言いたくなると思うけど、これが文学ってものなのか(?)物足りなさもなく、面白かった。感動的ってわけじゃないんだけど、カタルシスがあるというか。
1冊通して、「ありのままに受け入れる」がテーマだったような。
『ねじまき鳥〜』はそれができなくて、どうにも読みにくかったけど、これは受け入れやすかった。
(もっとも『ねじまき鳥〜』のほうは解説本も出てるぐらいで、意味を考えて読む作品なのかもしれないけど、解説者が強引にこじつけてる気がして、それも楽しくは読めず…。というか、作品そのものを読んで読解できないなら、私は読解できないままでいいやって思った)
「品川猿」に出てくる猿は「サル」って聞いて、こんなサルを想像する人はいなそうっていうサルだった。
今手元に本がないのでタイトルが思い出せないのだが(「どこでもそれが〜」っていうような題)、マンションの階段の話がとくに面白かった。

どっかのオンライン書店でこの本の書評を見たら、結構、評価が低かったが、私は好きだな。

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