読書感想しか書かないときは日記タイトルに困るなあ。

杉/原 理/生『いと/しさを追/いかける』

ネタバレ

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また一人称かよ…というのがまず最初に思ったこと。や、口直しに三人称の作品を読もうと思っていたから、やっちゃったーって。全然作品の感想じゃないが。
春樹や北方を愛読してて何を言うって感じだけど、これはこれ、それはそれ、あれはあれなので。どうもBLで一人称なのが苦手らしい。

まあそんなことは置いといて。初読の作家さん。
エンタメにしちゃ湿った文章だなあと(硬いんじゃなく)。ちょっと『夏の塩』を初めて読んだときのことを思い出した。別に似ているわけではないけど、ほかに思いつかなかったので。
重たいテーマはそれほど珍しくもないと思うけど、湿った書き方が珍しい。一昔前、純文学とエンタメのボーダーレス化が目立った時期(今はよく知らない)があったのを、ちょっと思い出したり。
BLとしては珍しいストーリーより心情重視というか、うーん、もっといえば恋愛以外の側面の心情重視、かなあ。よく分からない。
そういう雰囲気が珍しくて引き込まれ、『テレビの夜』は一気に読んだ。一人称「ぼく」の作品なのに(こだわる…)好みだった。
表題作である続編のほうは…正直魅力を感じなかった。なんかこう主人公のキャラをつかみ間違えてたかなーって気分にさせられた。主人公じゃなくても、掛井がなぜ主人公が好きなのか分かりづらい。
といっても、本編のほうで主人公が掛井を騙していたことが、そこまで周囲から責められることとは思えないのだが。
掛井本人は怒ってもいいが、掛井の友達は干渉しすぎでついていけないものが…。いくら心配だって言ったって、勝手に掛井の気持ちを主人公に伝えるのは、どう考えても迷惑だろう、掛井が。
…話が逸れた。えーっと、掛井を騙していた(というか黙ってただけだ)ことって、最後の一言がなければ責められるようなことではなかったと思うし、その一言だって今までの言動見てれば分かることだし。誰も主人公の心情には配慮してやらないところが、この話の悲しいところか…。
(小説24)

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