鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで
2007年6月13日 読書宮部 みゆき 光文社 2000/04
たぶん、3回目の再読。
『クロスファイア』を読むときに再読したはずだし。
というわけで、ストーリーはほとんど覚えていたんだけど、やっぱり前回読んでから数年経っているので、ところどころ覚えていなかった。なんだか記憶違いをしていた場面もあったり。
でも、細部まで全部覚えていたとしてもディテールで楽しめそうだなあと思う。文学とかキャラの立った小説以外で、それもすごい…。ちょっとした行動や描写に「こういうことあるよね」って思えるところとか、読みやすい文章とか。本当に才能のある人だと思う。
以下、ネタバレ
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収録の3作の共通点はヒロインが超能力者であることだけど、その超能力の受け止め方が三者三様で面白い。能力に目覚めて付き合っていこうと覚悟する話、積極的に能力を使おうとしながらもそのせいで普通の社会生活も送れない話、上手く付き合ってきた能力が消えかけて不安になる話と、読んでみたいと思うパターンがきちんと用意されている。
でも宮部みゆきの超能力ものは、いつも能力に振り回され、悩まされている人物が多い。持っているだけでも、隠そうとしたりして苦労している。だいたいにおいては神様からのプレゼントではなく、試練として与えられている感じ。
そして超能力に関係ない部分でも、普通に生活していくうえでの悩みや理不尽な出来事も数多く、ちっとも甘くない。容赦もない。読んでいて暗い気分にさせられることも多い。
だけど、いつの間にか登場人物を応援したい気持ちになっているし、全体を通して暖かい視点で描かれているので、救いもあるし、カタルシスも大きい。
また何年かしたら読み返したいなあと思う作品ばかりだ。
(小説40)
たぶん、3回目の再読。
『クロスファイア』を読むときに再読したはずだし。
というわけで、ストーリーはほとんど覚えていたんだけど、やっぱり前回読んでから数年経っているので、ところどころ覚えていなかった。なんだか記憶違いをしていた場面もあったり。
でも、細部まで全部覚えていたとしてもディテールで楽しめそうだなあと思う。文学とかキャラの立った小説以外で、それもすごい…。ちょっとした行動や描写に「こういうことあるよね」って思えるところとか、読みやすい文章とか。本当に才能のある人だと思う。
以下、ネタバレ
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収録の3作の共通点はヒロインが超能力者であることだけど、その超能力の受け止め方が三者三様で面白い。能力に目覚めて付き合っていこうと覚悟する話、積極的に能力を使おうとしながらもそのせいで普通の社会生活も送れない話、上手く付き合ってきた能力が消えかけて不安になる話と、読んでみたいと思うパターンがきちんと用意されている。
でも宮部みゆきの超能力ものは、いつも能力に振り回され、悩まされている人物が多い。持っているだけでも、隠そうとしたりして苦労している。だいたいにおいては神様からのプレゼントではなく、試練として与えられている感じ。
そして超能力に関係ない部分でも、普通に生活していくうえでの悩みや理不尽な出来事も数多く、ちっとも甘くない。容赦もない。読んでいて暗い気分にさせられることも多い。
だけど、いつの間にか登場人物を応援したい気持ちになっているし、全体を通して暖かい視点で描かれているので、救いもあるし、カタルシスも大きい。
また何年かしたら読み返したいなあと思う作品ばかりだ。
(小説40)
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