苦手を克服第3弾

遊郭ものは克服に成功したが、アラブものは克服に失敗した…。
なるべく読みやすそうな「オークション」が出てこないものを2冊選んだのだが、両方とも最後まで読めずに克服失敗。なぜか両方ともクライマックス間近の10〜20ページを飛ばしてラストだけ読むという結果に。
ちょうどそのあたりで先が見え、自分の趣味に合った（許容範囲の）方向に話が進まないことを確認できてしまうので、読み進める気力が尽きてしまうらしい。で、一応ラストだけ読んで終わると。
たかが20ページなのに、どうしても読めずに斜め読み…。ハーレムに閉じ込められるのがムカつくとかいちいち思っているようでは、克服は諦めたほうがよさそうだ。

というわけで、次は病院もの。
何が苦手なのって感じだが、ものすごく苦手意識がある。
血が出てきそうだから怖いっていう恥ずかしい理由もあるが、ただ単に最初に読んだ何作かが趣味に合わなかったのが悪かったんだと思う。雑誌掲載のものを読んだら、なぜか院長の愛人とか部長に関係を強要されるとかセクハラベースで、医者といえどもサラリーマン、上には逆らえませんというドロドロしたものが続いた。
もうひとつはギスギスした系統。エリートの歪んだプライドと執着、患者より出世が大事みたいな。いくら「白い/巨/塔」が好きでも、立て続けにドロドロ、ギスギスだったので食傷気味になり、すっかり苦手になってしまった。
あと、メガネが流行ったときに白衣とセットにされることが多くて、別に両方嫌いじゃないがよく分からんと思ったのもダメだったのかも。
あ、それと（まだある）「天才外科医」が出てくると、「違う、あなたはブラック/ジャック先生じゃないわ」とわけの分からんことを考えてしまうのもよくなかったんだと思う。
いろいろよくないことが重なったんだなあ。どうでもいいことしかないけど。

というわけで、病院もの。もちろん感想より前置きのほうが長い。

ネタバレで。

春/原いずみ　『逢え/るかもしれない』

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なんだか懐かしい雰囲気で読みやすい。
それになんといっても、話もキャラもさっぱりしているのがいい。作者が医療関係者（お医者さん？)だということで、ちょっと専門的なことも出てくるが、文系で横文字が苦手な私でも理解できるように書いてあるので、とっつきづらさもなかった。
「上には逆らえません」は出てくるがセクハラじゃないし(笑）、主人公の去就も鮮やかで、同情はしつつも暗い気分になることはない。だいたいにおいてキャラの悩みに読者が付き合う必要のない書き方なので、「ああ、悩んでるんだな」、「解決したんだな」と流せるのだが、どうでもよくなるわけでもなく、ただ見守っていればいいという感じ。退屈せずに読み飛ばせるというか。
もう少し視点の切り替えが上手で、恋愛に割く長さを増やしてくれれば好みだったので、そこらへんが残念。
といっても、苦手を克服には成功でした。
あんまりライトなのも気分じゃないけど、重たいのはイヤだというようなときにちょうどいい作品かな。

（小説60）