HEAVEN

2007年9月14日 BL作家さ行
桜木 知沙子 新書館 2001/02

ネタバレ感想。

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表題作を読んでいる間、ずーっとイラついていた。優柔不断の流され系の受が苦手な上に、女の子がその犠牲にされるのがどうにも許せず…。気持ちの上で迷いがないのに、明らかな判断ミスで婚約を解消しないあたり、ムカついてしまって。
修羅場でキレたときには、なんでお前がキレるんだ、と呆れたし、攻が刺されたときも一人で取り乱して女友達に何もかも任せっきりというのも情けない…。いや、恋人が目の前で刺されて取り乱さないなんて非人間的なのは分かっているが、それまでの周りに甘えまくった態度の積み重ねがあるから、やっぱり、こいつダメって気がしてしまって到底同情できず。しかも次のシーンで喪服を着ているあたり、がっくり。
二人っきりの最後の話し合いを邪魔しにノコノコ現れた攻にも呆れた。謝りたいって…。別れ話に婚約者の浮気相手が現れるぐらい惨めな状況もないと思うのだが…。テメエの自己満足だろ、ぐらいにしか思えなかった。

という、非常に最悪な感想を持ちつつ、書き下ろしの「lost〜」を読み始めた。まず攻の視点なのでイラつくこともなく、さらにいえば、こういうひねくれた攻、こういう切ない展開が好きで。なんて分かりやすい趣味…。
なんだか攻の視点で見ると、あれだけ苦手に感じた受も可愛く思えてきて…。ストーリーも面白かった。
書き下ろしのほうだけとっても趣味に合った。面白かった。
そんなわけで、後日談のほうも楽しく読むことができた。
同じシリーズ、しかも1冊の本の中で、これだけ好き嫌いが分かれるのも珍しい。好き→苦手の順番なら辛かっただろうが、苦手→好きの順番だったので、この1冊に対しての感想もかなりいいものになった。

(小説82)

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