積読がいっぱいあるのに再読なんて、とずっと我慢していたのだが、一昨日ついに我慢できなくなって植物シリーズの1冊目『WEED』を再読してしまった。
7月に感想を書いたばかりだし、また感想を書いたらしつこいかなあと思ったのだが、今日は他に書くこともないので書いてしまおうかと。

木原 音瀬 『WEED』、『FLOWER』再読感想。

三部作全てに対し完全ネタバレな上に、既読の方じゃないと意味が分からない点が多いかもしれません。

--------------------------------------------------------

BLの感想を書くのに自分のモラルの低さを告白しなくてはいけないとは…。
(いや勝手に告白するだけだが…)
「ムリヤリは犯罪です」、「陵辱系は楽しめません」と過去に何度も書いてきたが、この作品は好きだ。いままでそれについて、単に若宮と谷脇というキャラが好きで、いじらしい恋心に感動したからだろうと思い込んでいたが、もっと分かりやすい理由に気付いてしまった。
…加害者視点だからだ。
陵辱ものは大抵、被害者の視点だと思うが(それじゃなくてもBLは受視点のほうが多いし)、これは主人公が加害者で、しかも「好きだから思い余って」とかいう理由じゃなく、ただの憂さ晴らし。当然この時点では感情移入などできないので、読んでいてものすごく楽。ここで被害者に同情して読みづらいとは思わない。要するに他人事なのでOKということらしい。うわ、最低…。
感情移入しないでストーリーを追っているだけの状態ってだけで、別に許容しているわけではないです、と一応言い訳しておく。

うだうだ書いてきたが、今回『WEED』は谷脇の出ているところだけ拾い読みするつもりで読み始めた。が、冒頭から出てくるので、つい話に引き込まれてしまい、結局全部通しで読んだ。相変わらず、若宮がカッコ悪くて可愛い。ヘタレとはまた別の魅力があるなあと。
最初に読んだときは谷脇×若宮だったら趣味にぴったりなのにと思っていたのだが、今回ちょっと具体的に妄想しかけて後悔した。遊びならともかく、本気になられたりしたら怖い……。そんなもの、読まされなくてよかった。
前回はどっぷり若宮に感情移入していたのであんまり思わなかったが、岡田…我慢強いなあ。さすが雑草くん。アメリカでも頑張ってくれ…。
『FLOWER』はやっぱり涙なしには読めなかった。無自覚の行動の一つ一つが…。なんでそんなに自分の気持ちに鈍感なんだか…。
後半は場面ごとに松本はこのとき何を思っていたのだろうと考えてしまい、つらかった。友人の言葉を通してしか語られることのなかった本音がものすごく悲しい。
読み終わってぼけーっとしてるときに思い出したのが、谷脇が若宮に言ったこの台詞。
タイトルにかかっていなければ見落としてしまったかもしれないが、かなり深い。『FLOWER』読了後に思い出すと悲しくなる。
以下、引用。
「お前にはあいつが綺麗な『お花』に見えるんだろう。俺にとっちゃただの雑草だけどな」(『WEED』P87)

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索