プレイス

2007年9月20日 木原音瀬
木原 音瀬 オークラ出版 1999/12

趣味を語るネタバレ感想。

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あらすじ引用
横山には、嘘を見わける力があった。それは天使の父からもらった二つの物…羽と、もうひとつの資質だった…。


可愛らしい設定だ。木原作品なのに…。でも、羽つきが攻で普通の容姿(美形じゃない)ってところがちょっと外してるかも。まあ私はそのほうが好みだが。
この羽が動いている描写がなんだかとっても可愛くて、いいなあ天使、とかちょっと思ってしまった。

加賀は不器用だから口が悪いという人で、仕事ができるヘタレ受。最初は攻かと思い込んでいたが違った。
とにかく可愛げがない。受なのにここまで可愛げがなくていいのだろうか。私の趣味としては受は可愛いくないほうがいいのだが、可愛げはほしいような気がする。
と思っていたら、だんだん可愛くなってきた。「ライアー」までは加賀の不器用さが痛快ですらある。
けど、続く書き下ろしの「スロウ」では、加賀の不器用さ加減が可愛げを通り越して、迷惑なものになってくる。なんか普通に接してもらってるのに、いや、かなり優しく接してもらっているのに怒っていたりする。なんだこいつ…と加賀の怒りっぽさ、自分勝手さにだんだん読んでいてイラついてきた。いくら年下で不器用な性格でも、ここまで甘えるのはダメだろうと。振り回される横山が気の毒になり、なんだかなあと読み終わった。
ラストで横山が溜め込んでいたもっともな言い分を並べ立てるのだが、そこで加賀だけが悪いわけじゃない、とも言っていたので、そうかなあと思いつつ本を閉じ、少したってから読み返してみた。
確かにそうかも、と思えた。いや横山が悪いとは思わなかったが、加賀の取り扱いが下手なのは確かというか…。
それにしても横山はいい人だ。加賀にはもっと反省して寛大な人になってもらいたい。

木原作品でアイスなのにこんな読みやすい話って珍しいなあと2作読み終えて、油断していたら書き下ろしでちょっときた…。ああ、痛いというわけではなく。きたんですよ。

(小説87)

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