『黄色いダイアモンド』 木原音瀬 2000/8

え、これ、BBNなの……。最初からカバーをかけて読んでたから気付かなかった。てっきりアイスだとばかり。アイスらしい思い切った設定とか思ってたのに。考えてみれば、植物シリーズ3冊目も結構自由な設定だし、こういうのもありか。でもあっちは一応攻が医者だけど、この作品は。うーん。意外と大らかだったんだね。

木原作品を2冊続けて読んじゃったので、ちょっと疲れた。猫舌なのに熱いうちに食べちゃって火傷しちゃったみたいな感じ。
いくら好物でも、よく冷ましてから食べないとね。

ネタバレ

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面白いんだけど、どうしたものかな。読み終わったときに感想をどう書くかで悩んでしまった。
表題作のほうはよかった。読みやすかったし、わりと流れに沿った話だったし。これだけ欠点を並べ立てながら、きっちり魅力のある人物を書けるのって、いつものことながらすごい。

続編は勇視点だろうと勝手に思い込んでいたので、「歯が痛い」で息子視点だったので驚いた。読み始めてすぐに、そうか、あれだ、息子の成長を描きつつ第三者視点で二人のその後を……と思ったのだが、つまんない予想しちゃってすみませんって気分。そうきますか。そこまで踏み込みますか。しかもそこで終わりですか。
あ、別に気に入らなかったわけではなく、単にものすごく驚いただけで。BLというよりは親子愛がテーマみたいな話だが、BLらしくする必要なんて何もないと思わせられる。これがまた感動的で。しかも結構痛い話なのに読みやすくて、とにかく読み応えがあって面白い。
なんだかいろいろ解決していない話なのだが、じゃあ全部の問題や悩みが解決して、主人公が最高に幸せ、みたいな100%のハッピーエンドならよかったとも思えない。そういう話も悪くないが、この作品には合わないし、それだと心に残らなかった気がする。すっきり解決に持っていかずに、そんなに状況に変化はないんだけど、でも一応気持ちの上で乗り越えてるあたりがいいんじゃないかと。
読みづらい設定、展開で読ませるなあ。さすがだなあ。

(小説99)

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