佐々木禎子 二見書房 2007/12/14

初パール文庫。
佐々木さんの遊郭ものということで、楽しみにしていた。好き嫌いが激しい私だが、遊郭は免疫があるし、少々抵抗のある題材でも佐々木さんなら大丈夫だろうという安心感があった。そういう点での佐々木さんへの信頼感は絶大なので、パール文庫を試すならこれしかないだろうと。
近くの書店に売っていなくて、3軒も回って空振りに終わり「発売日なのに…」と悔しいやら不思議になるやら。もしかして明日が発売日?とか不安になりつつ、絶対に今日中にゲットしてやると意地になって都会本屋に行ってみた。
…あるじゃないですか。あっさりと。
新刊平台中央手前に2列で積んであった。

ネタバレ

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男が花魁。これをどう料理してくれるかというのが関心点だった。その辺で引っかかると、作品世界に没頭できないもので。
なるほどねーというオリジナル設定だった。男が花魁、というのに引っかかる読者ほど、違和感なく読める設定にしてある。甘くもない世界だとさらっと書いてあるのもいい。華が足りないという印象もあったが、後からそれが活きてくる。
主人公の忍は遊郭に売られることになった晩に初恋の相手に抱いてくれと頼む。もちろん諦観からの行動だが、強くて前向きで、さっぱりとした性格が親しみやすい。
一方、信二のほうは優しくて頼もしいが、ちょっと反応が薄くないかと不満だったのだが…。再会後に分かった行動にはじんわりくるものがある。
再会後の不器用なやり取りや、見せ場もよかった。その後の展開も意外性があったし、全体に遊郭ものらしいシーン(…)が多いのに、筋立てがしっかりしているところがさすがだ。
暗い方向に向かっている時代だが、この二人なら大丈夫だろうと思える強さがあるのがいい。

(小説136)

コメント

秋林 瑞佳
秋林 瑞佳
2007年12月16日9:15

パール文庫って、シャレード系なのにオビ付いてますねー(シャレード文庫は付いてない)。

この前、シャレード公式サイトを見に行ったら、「パール文庫はオビもついてます☆」と編集さんがお書きになっていて、思わず笑ってしまいました。

りょう
りょう
2007年12月16日9:48

>パール文庫って、シャレード系なのにオビ付いてますねー(シャレード文庫は付いてない)。

シャレードはオビついていなかったんですか!
そういえば見たことなかったです…。気付いてませんでした。
マンガのほうはオビつきで、他の作品のオビを間違えてつけちゃいました〜、なんて楽しいことをなさっていたようですが。ユギさんの『夢を見るヒマもない』なんですが、残念ながら私のは間違ってなかったです(笑)

>この前、シャレード公式サイトを見に行ったら、「パール文庫はオビもついてます☆」と編集さんがお書きになっていて、思わず笑ってしまいました。

ご自慢のオビでしたか!(笑)
まあでも装丁に合わせて可愛らしい色使いになっていると思います。ちなみに、この惹句は作品内からの抜き出しです〜。

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