溺れる戀

2008年1月12日 高遠琉加
高遠琉加 大洋図書 2007/12/26

この表紙、綺麗だー。

ネタバレ

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帯で痛め暗め作品かと思ってたんだけど、そうでもなかった。
大好きな昭和初期設定だし、感じのいい美人のお嬢様と豪華客船でお見合いだし、受は銀行の三男でぼんやりしているようで流され系とは違い、結構きりっとしているし行動力もあって、好みの作品だった。
受はいいキャラなんだが、いつかと言わず、今すぐ家族に無事を知らせてやってほしい。銀行が倒産したうえに息子は生死不明じゃ、親があまりに気の毒だろ…とかつい気になってしまった。
贅沢をいえば、船での火事以外は全部予想通りというか、意外性のない展開なのが惜しかった。でも高遠作品の中ではかなり好きなほうかも。
ここからさらに趣味の話。
一時期、独特な比喩を使ったウェットな文章がやりすぎと感じて、少々鼻についてしまっていたが、今回はかなり読みやすくなっていた。柔らかくてちょっとぼんやりもやもやっとした雰囲気は好きなんだけど、一人称の主人公の内面が幼かったり、あっさりしすぎていたりと、なんかしっくりこない。まあ感覚的なところだから、ぴったり趣味に合う作家さんは滅多にいないし、書いても仕方ないかもしれない。

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