蜜の香り

2008年1月23日 佐々木禎子
佐々木禎子 徳間書店 2007/10

あらすじ
一流ファッションブランドの新人広報・彰浩が香水部門の新規事業に大抜擢!?世界的ヒットフレグランスを創作する天才調香師・鮫島の担当に任命された彰浩。けれど仕事の依頼と引き換えに鮫島から提示された条件は、なんと彰浩との同居だった!!「私に閃きをくれるんだろう?」上品で精悍な容貌をもつ鮫島との昼夜を問わない情事―。彰浩は次第に鮫島から官能を引き出されて…。
ネタバレ

ファンタスティック(特殊ニュアンス)になりそうな設定だが、さすが佐々木さん。納得できる理由付けをきっちりしてくれるので、余計なツッコミをいれずに読めるのがありがたい。私はかなりツッコミが厳しいほうだが、なにもツッコミを入れたくて入れてるわけじゃないんで…。リアルじゃなくても、作品世界内で矛盾がなければ、気にせず読めるんだなあと実感した。
あと佐々木さんの社会人受はきちんと仕事してくれるし、向上心があるのが魅力的だと思う。容姿が可愛いタイプであっても心意気が男前なんだよなあ。

華やかな舞台だし、始まり方を見てると派手だが、しっとりと落ち着きのある雰囲気、奥行きのある展開(といえばいいのかな)がいい。鮫島のキャラそのものみたいな雰囲気の生活が、静かだけど濃密。
強引だけど優しい変人、鮫島や、澤辺、葉子といったキャラも個性的で気に入ったし、彰浩の成長と成功を過不足なく入れ込んで、基本はわりと甘い恋愛というバランスもよかった。
彰浩が自分はまだまだ未熟だと自覚しながら頑張っている姿が好きだし、天才である鮫島にコンプレックスを感じる普通の20代らしい感覚に共感しやすかった。
鮫島は結構公私混同する人だが、まあもとから変人だし芸術家だし。好みのタイプなので、このへん非常に点が甘くなっているような…。
彰浩はいいキャラだし鮫島がかっこいいから、ぜひ続編が読みたい。

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