砂原糖子 新書館 2007/09
面白いんだけど、ちょっと暗いんだよなあと発売当時は買い控えていたのだが、急に読み返したくなって買った。(ドラマCDの宣伝を見かけるせいかも)
雑誌掲載された表題作だけでも楽しめるが、続編を読むともっと楽しめる。
かなりネタバレ。
あらすじ。
切なさ200%…確かにそれぐらいかも。そんなわけで最初に読んだときは重苦しくて読みづらかったのだが、細部をすっかり忘れる程度に時間を置いて再読した今回は切なさに涙ぐみつつ、最後まで恋愛ものの醍醐味?キャラと一緒に悩んだりドキドキしたり…を楽しめた。
能力のことを告白してからは長谷部の態度が冷たく感じるのだが、後から言い分を聞けばもっともで、むしろなんで長谷部の気持ちを想像してみなかったのかと驚いてしまった。余村にどっぷり感情移入してたせいで、どうもそこまで余裕がなかったらしい。なんかすごいなあ。
で、続編は彼の最大の悩みだった能力が消えてしまい、最初は喜ぶものの、次第に人の心が読めないことが不安になり…という内容。まあこの作品の場合は、なんでこんな能力が備わってしまったのかというのはどうでもいいことなのだが、しかしそんなあっさりいかれると、ちょっと都合がよすぎないかと首を傾げてしまった。唐突に現れたものだから、ある日いきなり消えても不自然ではないのだが、なんだかねーと。
でも読み始めたら余村の不安に引き込まれていた。人の心が分からないのなんて、恋愛小説のキャラだけではなく、すべての人に共通の悩みだろうけど、余村のような事情があったらやっぱりこんな風に不安になりそうだと思う。現実ではありえない悩みをリアルにじっくりと描いていくので、感情移入もしやすいし、切なさも、その後の幸福感も大きい。
このまま終わってもいいと思っていたが、ラストはどうなるのかなという期待があったので、尻すぼみで終わらなかったのが嬉しい。
砂原さんは不器用真面目(たまにヘタレ)攻×気が強くてちょっとひねくれた繊細受が上手いなあと。
面白いんだけど、ちょっと暗いんだよなあと発売当時は買い控えていたのだが、急に読み返したくなって買った。(ドラマCDの宣伝を見かけるせいかも)
雑誌掲載された表題作だけでも楽しめるが、続編を読むともっと楽しめる。
かなりネタバレ。
あらすじ。
三年前から突然人の心の声が聞こえ始め、以来人間不信気味の余村。ある日彼は、自分に好意を持っているらしい同僚の長谷部の心の声を聞いてしまう。罪悪感を覚えつつも、言葉で、“声”で、一途に注がれる愛情が心地よく、余村も長谷部を好ましく思うようになる。そしてついに長谷部の告白を受け入れるが、余村が心の声を聞けると知った長谷部の反応は意外なものだった…。切なさ200%!!胸に迫るスイートラブ。いくらでも話を派手にできそうな能力を設定しつつ、話は地味に丁寧に進むので、FT設定に抵抗のある人でも楽しめそう。
切なさ200%…確かにそれぐらいかも。そんなわけで最初に読んだときは重苦しくて読みづらかったのだが、細部をすっかり忘れる程度に時間を置いて再読した今回は切なさに涙ぐみつつ、最後まで恋愛ものの醍醐味?キャラと一緒に悩んだりドキドキしたり…を楽しめた。
能力のことを告白してからは長谷部の態度が冷たく感じるのだが、後から言い分を聞けばもっともで、むしろなんで長谷部の気持ちを想像してみなかったのかと驚いてしまった。余村にどっぷり感情移入してたせいで、どうもそこまで余裕がなかったらしい。なんかすごいなあ。
で、続編は彼の最大の悩みだった能力が消えてしまい、最初は喜ぶものの、次第に人の心が読めないことが不安になり…という内容。まあこの作品の場合は、なんでこんな能力が備わってしまったのかというのはどうでもいいことなのだが、しかしそんなあっさりいかれると、ちょっと都合がよすぎないかと首を傾げてしまった。唐突に現れたものだから、ある日いきなり消えても不自然ではないのだが、なんだかねーと。
でも読み始めたら余村の不安に引き込まれていた。人の心が分からないのなんて、恋愛小説のキャラだけではなく、すべての人に共通の悩みだろうけど、余村のような事情があったらやっぱりこんな風に不安になりそうだと思う。現実ではありえない悩みをリアルにじっくりと描いていくので、感情移入もしやすいし、切なさも、その後の幸福感も大きい。
このまま終わってもいいと思っていたが、ラストはどうなるのかなという期待があったので、尻すぼみで終わらなかったのが嬉しい。
砂原さんは不器用真面目(たまにヘタレ)攻×気が強くてちょっとひねくれた繊細受が上手いなあと。
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