水槽の中、熱帯魚は恋をする
2008年2月8日 うえだ真由
うえだ真由 新書館 2004/10
こんなにうえだ作品ばかり買って…と大量買いしたときはちょっぴり後悔していたのだが、むしろ大人買いした自分を褒めてあげたい。
ネタバレ
切なかったり痛かったりしてもバッサリ斬られることはない柔らかな話、派手過ぎず地味過ぎない設定、まともで感情移入しやすく、バランスのいい性格のキャラが多いこと、話の筋道がしっかりしていて途中で飽きたりしないこと。…疲れているときでも読みやすい条件が揃っている。
かといって、優しすぎたり繊細すぎたりもしないので、物足りなさもない。いいなあ、好きだなあ。
あ、この作品の感想も書こう。
「恋しちゃったv」って話じゃなくて、友達としての距離がゆっくりと縮まっていって、相手の意外な脆さに触れて…っていう話が、明るいのに静かな感じで進んでいくのがいい。作りこんだ雰囲気でもないしテンポもいいんだけど、独特のしっとり感がある。派手な事件なんかなくても、全然退屈なんてしない。わざとらしさを感じないキャラの個性と話の展開がよかった。
綺麗系の攻・桂真はクールで不器用な、私の好みストライクゾーンだし、あくまで等身大キャラかと思っていた明るさが取柄って感じの受・睦は、自然に気遣いができるタイプで、包容力と可愛さがセットになっているという魅力的な子だった。
とくに攻視点の続編のほうでは、普通そうに見えて実はかなりカッコいい睦のよさがよく分かったし、桂真は考えていることが分かると不器用なところがさらに可愛く思えた。
絆が深まるきっかけが描かれているが、日常の積み重ねがあったからこそ、と思えるところがよかった。相性がいいというか、お互いがいることで幸せになるっていう、一番のハッピーエンドに気が付いたらなっていたというようなラストもよかった。
ところで結構重要キャラ?のアロワナ。でかくて不気味な肉食魚というイメージしかなくて、飼うのは悪趣味だと思っていたのだが、こんなに頭のいい魚だったなんて初めて知った。
自分で飼いたいとまでは思わないが、作品に出てくるアロワナたちには愛着がわいてしまった。決してかわいくはないけど…。
こんなにうえだ作品ばかり買って…と大量買いしたときはちょっぴり後悔していたのだが、むしろ大人買いした自分を褒めてあげたい。
ネタバレ
男でも女でも、誰とでも寝るんだって―そんな噂を持つ桂真のBMWに傷をつけてしまった睦。代償に熱帯魚の世話を引き受けることになるが、約束の日、桂真のマンションで睦を待っていたのは、銀の鱗きらめくアロワナだった―。及び腰ながらも世話を続けるうち、無口で冷たい印象のある桂真も、睦には穏やかな表情を向けてくれるようになる。だが、桂真の留守中アロワナが弱り始め…。アクアリウム・ロマンス。どれを読んでも癒される…。弱っているので、癒し系はありがたい。
切なかったり痛かったりしてもバッサリ斬られることはない柔らかな話、派手過ぎず地味過ぎない設定、まともで感情移入しやすく、バランスのいい性格のキャラが多いこと、話の筋道がしっかりしていて途中で飽きたりしないこと。…疲れているときでも読みやすい条件が揃っている。
かといって、優しすぎたり繊細すぎたりもしないので、物足りなさもない。いいなあ、好きだなあ。
あ、この作品の感想も書こう。
「恋しちゃったv」って話じゃなくて、友達としての距離がゆっくりと縮まっていって、相手の意外な脆さに触れて…っていう話が、明るいのに静かな感じで進んでいくのがいい。作りこんだ雰囲気でもないしテンポもいいんだけど、独特のしっとり感がある。派手な事件なんかなくても、全然退屈なんてしない。わざとらしさを感じないキャラの個性と話の展開がよかった。
綺麗系の攻・桂真はクールで不器用な、私の好みストライクゾーンだし、あくまで等身大キャラかと思っていた明るさが取柄って感じの受・睦は、自然に気遣いができるタイプで、包容力と可愛さがセットになっているという魅力的な子だった。
とくに攻視点の続編のほうでは、普通そうに見えて実はかなりカッコいい睦のよさがよく分かったし、桂真は考えていることが分かると不器用なところがさらに可愛く思えた。
絆が深まるきっかけが描かれているが、日常の積み重ねがあったからこそ、と思えるところがよかった。相性がいいというか、お互いがいることで幸せになるっていう、一番のハッピーエンドに気が付いたらなっていたというようなラストもよかった。
ところで結構重要キャラ?のアロワナ。でかくて不気味な肉食魚というイメージしかなくて、飼うのは悪趣味だと思っていたのだが、こんなに頭のいい魚だったなんて初めて知った。
自分で飼いたいとまでは思わないが、作品に出てくるアロワナたちには愛着がわいてしまった。決してかわいくはないけど…。
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