世界が終わるまできみと
2008年2月15日 BL作家さ行
杉原理生 幻冬舎コミックス 2007/09
一人称「ぼく」の作家さんだ。
いや別に珍しくもないんだろうけど、一人称自体を避けているせいで滅多に読まないので。
「おれ」だったら、もう少し遭遇する頻度が高いかも。
ネタバレ
前作(『いとしさを〜』)では湿った文章の人っていう印象だけ残っていたのだが、今回は受も攻も王子様という設定のためか、少女趣味な文章になっていた。どちらも作品に合っているし、読みやすいなあと思う。
話のほうはホモが多いのが(趣味に合わんので)少々気になったし、第二部はしつこくも感じたが、いい話だった。面白かった。
しかし前作同様、主人公がとくに責められるいわれのないことで責められ続け罪悪感を持ち続けるのが、話のメインになっているのがどうにも…。高宮のキャラになんら同情できなかったので、あの状況で事故死の責任まで押し付けられるのはおかしい気がする。
うーん。理不尽で不憫だし、それ以上に主人公の頼りなさにちょっとイラつく。苦労しているから我慢強いと思うか、苦労している割に弱すぎると思うかは人によって受け取り方が違いそうだけど。…たぶん前者のほうが多いだろうな。
攻の叔父という人物の行動は甥を心配しているといえば聞こえはいいが、過干渉で常軌を逸しているような…。なにかこう、この人が異様に感情的に絡んできてうるさいので、攻よりよっぽど印象に残ってしまった。この人、変ですっていう視点がちょっと入っていれば、別に変でも気にならなかったと思うけど。悪い人になり過ぎないように加減しているところのほうが目立っていて、なんだか完全な悪役が出てくるよりもビターに感じた。これも前作同様の感想だなあ。
…読んでるときは結構面白く読んだのに、感想を書こうとして思い出したら、なんか点が辛くなっていた。王子様S(複数形)は可愛いし好感を持っているけど、とくに好みじゃないせいか印象が薄い。いや、いい話だったとは思うけど。
極悪人扱いの速水父が弱さも狡さも含めて魅力的で、好みだった。失踪したままで残念だ。
一人称「ぼく」の作家さんだ。
いや別に珍しくもないんだろうけど、一人称自体を避けているせいで滅多に読まないので。
「おれ」だったら、もう少し遭遇する頻度が高いかも。
ネタバレ
中学2年生の速水有理は、父親と弟と3人で暮らしていた。やがて3人は父の友人・高宮の家に身を寄せることになるが、そこには有理と同じ歳の怜人という息子がいた。次第に親しくなり、恋に落ちる2人だったが…。怜人との突然の別れと父の失踪から5年後。大学生になった有理は弟の学と2人で慎ましやかな生活を送っていた。そんなある日、怜人と再会するが―。またどうでもいいことかもしれないが、中学の卒業式に離れて大学入りたての頃に再会したんだから(浪人もしてないし)、3年後ぐらいじゃないかなあ? まあ出会ってから5年後って言いたいんだろうけど…。
前作(『いとしさを〜』)では湿った文章の人っていう印象だけ残っていたのだが、今回は受も攻も王子様という設定のためか、少女趣味な文章になっていた。どちらも作品に合っているし、読みやすいなあと思う。
話のほうはホモが多いのが(趣味に合わんので)少々気になったし、第二部はしつこくも感じたが、いい話だった。面白かった。
しかし前作同様、主人公がとくに責められるいわれのないことで責められ続け罪悪感を持ち続けるのが、話のメインになっているのがどうにも…。高宮のキャラになんら同情できなかったので、あの状況で事故死の責任まで押し付けられるのはおかしい気がする。
うーん。理不尽で不憫だし、それ以上に主人公の頼りなさにちょっとイラつく。苦労しているから我慢強いと思うか、苦労している割に弱すぎると思うかは人によって受け取り方が違いそうだけど。…たぶん前者のほうが多いだろうな。
攻の叔父という人物の行動は甥を心配しているといえば聞こえはいいが、過干渉で常軌を逸しているような…。なにかこう、この人が異様に感情的に絡んできてうるさいので、攻よりよっぽど印象に残ってしまった。この人、変ですっていう視点がちょっと入っていれば、別に変でも気にならなかったと思うけど。悪い人になり過ぎないように加減しているところのほうが目立っていて、なんだか完全な悪役が出てくるよりもビターに感じた。これも前作同様の感想だなあ。
…読んでるときは結構面白く読んだのに、感想を書こうとして思い出したら、なんか点が辛くなっていた。王子様S(複数形)は可愛いし好感を持っているけど、とくに好みじゃないせいか印象が薄い。いや、いい話だったとは思うけど。
極悪人扱いの速水父が弱さも狡さも含めて魅力的で、好みだった。失踪したままで残念だ。
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