FRAGILE

2008年4月9日 木原音瀬
木原音瀬 角川グループパブリッシング 2008/04

帯つきの画像ください…。いや、もういいけどさ。

分かりづらそうだから、星評価。
★★★★

ネタバレで。

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苦手な監禁もの。痛い系。木原作品らしいガツンとくる内容で大変満足だった。
本当は痛い中に切なさが入っているほうが趣味に合うが、これはこれで突き抜けていて面白い。
こんな悪趣味な設定、木原作品じゃなければ読まないのにって思いながら読んだ。途中でやめようと思わなかったのは、途中でやめるほうが後味が悪そうだから。なんかカタルシスを得る前に挫折したら、いつまでも思い出してしまいそう…。
そして何より小説として面白いから、読むのをやめられなかった。

すみません、わたしは大河内のほうが好きです…。
誰に謝ってるのって感じだが、うわー、大河内性格悪い〜、なんで青池はこんな奴が好きなの?って感想のほうが多そうだから…。
逆に青池がダメだった。ストーカー、粘着質なタイプと犯罪者は苦手で。暴力描写が苦手だから暴力をふるうキャラというのが、そこからもうダメで。お前、そこまでしておいて相手からの愛情なんて求めるなよ…としか思えなかった。なにかこう…裏切られて可哀想というより、裏切られないほうが不思議だよね、と。
じゃあ大河内の性格の悪さはいいのかというと、わりと平気だった。木原キャラらしい嫌らしさだなあと、普通に流せたらしい…。性格の悪さはともかくとして、基本的に容姿とかスタイルが好きなタイプだし。
大河内のしたことは少なくとも犯罪じゃない上に、監禁後の裏切りは当然だろうとしか思えない。自分を監禁してる相手に思いやりをもてるほうが怖いような気がする。
なんで世間体や社会的地位を気にして逃げないんだろうと最初は大河内の行動が愚かに思えたが、挫折したことがないってそういうことだよなあと思えた。どんなに辛くても後々のことを考えて現状維持したほうがマシって思ってしまう気持ちは共感しやすい。本当は我慢しないほうがいいんだろうけど…と自分に重ね合わせてしまった。大河内をキライじゃないのは、そのへんが大きく影響しているかも。
続編のラストで喉を切ったあたりで、ようやく青池ってそういえばカッコイイ攻だよなと思ったりした。たぶん無害になったからだと思う。とにかく怖かったらしい…。というわけで、読み終わった後は結構、青池のことが好きになった。
ラブラブの続編だったら、大河内(の性格の悪さ)にムカつきそうだなあと思ったり。
木原先生、結構こういうラスト好きだよなあ。いままでの展開からして、この終わり方のほうが納得だけど。

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