ergo vol.4

2008年4月29日 木原音瀬
漫画だけ読んだ。
漫画を読むと原作を読み返したくなるんだよなあ…。
小説は…本当だ、またフォントサイズが小さくなってる(笑)
思わず1をチェックしてみたら、すげえ字が大きかった。

追記。小説も読んだ。
私は絶賛中。

-------ネタバレ-------

木原作品の場合、別にBL要素は薄くても構わない。あまりキャラのカッコよさにも期待していない。まあ恋愛要素はあったほうがいいし、キャラもカッコいいに越したことはないけど。そういうオプションはなければないで構わない。あってもなくても楽しめてしまう。
この病院もののシリーズは恋愛要素が少ないと思う。病院内の人間模様はしっかり描かれているし、きちんとカップリングはあるのだが、とくに1、2話は恋愛ものを期待していたので読みづらかった。3話目はわりと期待に応えてくれる書き方だったし、甘めで面白かった。
4話目の今回はまたキツイのか?と読み始めてから身構えた。
けど、小説として面白い。いままでよりフォントサイズを下げて詰め込んだ分、読み応えも増していて、長くなったのに逆にノンストップで読めた。
キャラもいい。小木はもとから好みのタイプだからとくに書かなくてもいいとして、高瀬。まったく好みではないが、木原さんはこういう浅はかでちょっと鼻持ちならない、とくに応援したくもならないような、人間的につまらない小物タイプを描くのが上手いよなあと惚れ惚れする。別に嫌な奴というほどでもないし(ムカつくタイプではないし)、これぐらい現実にならいくらでもいると思う。でもラノベでは脇役にしかならない、しかも決してカッコよくは思われず、逆につまらない奴だと軽蔑されるような引き立て役タイプのキャラを主人公に持ってくるのもすごいし、底の浅いタイプをじっくり深みを持たせて描くのもすごい。
読んでいるうちに、なんだかだんだん高瀬の可能性のようなものが見えてくる。楽することばかり考えるし、努力家でもないし、素直でもないし、手先が器用なぐらいしか才能らしきものもないんだけど。本人がもうちょっとやる気を出して、環境が整えばいい医者になりそうな気もする。うちの子はやればできるんです、というタイプに思える。
ぐだぐだ書いてきたが、小木の台詞を引用すればたった一行で分かりやすく説明できる、ことに今気付いた。うう…。
「馬鹿でもセンスは悪くなさそうだからな」
変人にしてずば抜けた技量と知識を持つ小木が高瀬に目をつけた(決して目をかけた、ではない)理由は、この一言で十分理解できる。ちゃんと理解できるようになっている。
小木の台詞自体がシンプルにして的確で、しかも小木らしさが出ているという、(読後に思い返してみれば)この場面ではこれしかないと思えるような名台詞なのだが、それを十分に活かせるだけの下地がすでに整っている。このへんが面白い。
それにしても。小木は確かに恐ろしい襲い受だが、高瀬の台詞がすごい。「おかあさん、助けて」って…。エッチシーンの攻の台詞としては過去最高に情けなくて笑った。
そして小木の最後の台詞は殺し文句だ。いくらやる気の足りない高瀬でも、医者になった以上、それなりの努力と苦労と上昇志向はあったはずだし、これでグラつかないわけがないというか、秒殺だったんじゃないかと。小木、いいわ〜。楽しかった。

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