またしても木原作品について心ゆくまで問わず語りしようかと。
作品の内容について語るというより、私はこんな風に木原作品を楽しんでいます、という語り。
えーっとファンと自称しづらい私のスタンス。
その才能に惚れ込んでいて、結構信奉者に近い感想を書いたりするが、態度はわりと冷めている。たとえば絶版本を見つけても高かったら買わないとか、貴重な小冊子もオークションでは絶対に買わないとか。これは好きなもの全般に対して共通の態度なので、木原作品だから特別ってわけでもないんだけど。
木原作品特有の態度としては、ものすごく新作を楽しみにしてるし、はまることも熱くなることもあるんだけど、気分的にはちょっとだけ距離を置いているあたりかな。常に内と外、両方から見ている感覚というか。
微妙なたとえで申し訳ないが、「愛してはいるけど、恋したことはない」という感じ。
全作品に対し、ネタバレを一切考慮しないで書くので、ネタバレがダメな方はここで引き返してください
…キャラについて語ろうとすると、ネタバレになりやすいと思う。攻受の分類とかも作品によってはネタバレになるし。
既読と未読
木原作品をどれぐらい読んでいるかなと考えてみると、おそらく8割ぐらいは読んでいると思う。
・現段階で入手困難になっていない、定価で手に入る商業作品は全部。
・絶版になっている商業作品のほとんど。
・同人誌、小冊子、ペーパーの一部。
読んでいないのは、
・雑誌掲載後に単行本化、文庫化されていない作品。
これが結構な数残っていたりする。私にとってはタイトルだけ知っている幻の作品といった感じ。『美しいこと』や『FRAGILE』も長らくこの扱いだった。
・一部の同人誌と小冊子。
買ったけど読みたくない…とか、手に取りたくないから買ってないとか。そんな贅沢な理由で読んでいないもの。あとは絶版。
・携帯配信の作品。
・CD等の特典。あるのかどうか知らないけど。
好きなキャラ
だいたい好きな作品の主要キャラ=好きなキャラかな。
順位をつけたくないから、出会った(読んだ)順で。
有田(『恋愛時間』)
門脇(『あのひと』)
藤原(『脱がない男』)
初芝(『リベット』)
谷脇(植物シリーズ)
松岡(『美しいこと』)
小木(『12hours』)
谷脇以外、全部受キャラだ。分かりやすい趣味で…。
さらに細分すれば、「カッコいい、ステキvと騒ぎたくなる」キャラと、「人としてどうなの、物陰から見るだけで結構ですので」というキャラと、「いい子だ〜、応援してるからね!」というキャラに分かれる。
さて、誰がどこに入るでしょう。
あんまりクイズとして面白くないから、考えなくていいです…。
私が男ならぜひ当て馬として参戦したかった(なんか間違ってる…)のが、有田兄と初芝先生。かわいいわ〜と思ってるのが門脇と松岡。あとは困った課長と鬼畜な医者だけだから、もちろんお近づきにはなりたくない。
好みじゃないけど好感度の高いキャラとしては、
朝霞(『恋について』)
ヘタレ蝙蝠(『吸血鬼と愉快な仲間たち』)
吉川(『情熱の温度』)
亮一郎(『牛泥棒』)
横山(『プレイス』)なんかがいる。
正直に告白すれば、フルネームで覚えていたキャラはほとんどいなかった…。ここにも『箱・檻』やCOLDシリーズのキャラは入ってない。前回別枠で好きだと書いたのは、こういう理由もあって。
あと、再読すれば『嫌な奴』の三浦あたりがランクインしそう…な気もするけど、自信はない。
苦手キャラは、掛川(『セカンド・セレナーデ』)。数え上げれば苦手なキャラもたくさんいるけど、とりあえずこの人がムカつく。あと思いつくのは松下(『あのひと』)ぐらいかな。
たぶん他の苦手キャラは、設定と展開が凄すぎて単純に好き嫌いで語れないからだと思う…。
殺伐とした作風と突き抜けた展開。
今までに何度も書いているからくどくなるが、木原作品全体としてどこが好きかを。
なんといっても、作品の持つ吸引力と読み応えが素晴らしい。好き嫌いは別として、最後まで目が離せないところ。深くて濃いところ。趣味かどうかは別として「物足りない」という感想にはならない。軽くて読みやすい作品も好きだけど、やっぱりずっしりと重い作品のほうが好みだ。ドロドロとしていてもウェット感が少なく、乾いて殺伐としている作風なのが読みやすい。
あとはキャラの言動に共感できないときでも、そういうものなんだと納得できる説得力かな。
私はかなりキャラに感情移入してしまうほうなので、あまりウェットだと読んでる途中で疲れてしまう。木原作品も本来は痛すぎて、読んでてダメージが大きい作風だと思うけど、これ痛いな〜と痛さに酔える余地を残しておいてくれるというか。極端な性格のキャラに視点が固定されていたとしても、地の文には客観性が残っているところが読みやすい。ツッコミ不在の小説はどうにも読みづらいものだけど、その点でも安心で。
痛い展開が続いた後に、がらっと雰囲気を変えて甘くなるのも魅力。まさに飴と鞭(笑) …鞭ばっかりという説もきっとあると思うが。
しかも展開がグダグダにならずに徹底しているのがいい。急展開や強引な展開もたまにあると思う(冷静に読んでないからよく分からない)し、キャラの言動についていけないときもあるけど、何がどうなったの?と思うことはない。えーっと、説明が難しいな。「なしくずし」=「グダグダ」じゃないというか。「なしくずし」に持って行くなら、そこまで山脈越えしていき、「ここまで来ちゃったんだから引き返せないでしょう、普通」というところまで到達しているので、流されるキャラが苦手な私も「どうぞどうぞ」と諸手を挙げて(かどうか分からんが)賛成できるところがいい。
キャラが納得できない行動に出たときも、もはや口を挟めるような段階ではないので、引き止めたりせずに気持ちよくお見送りできる。ああ、遠くに行っちゃったね、と。で、そのキャラの視点に戻れば、その瞬間にまた感情移入できる。このへんが特殊というか、面白いなあと思う。
話の流れは本当に徹底してる。そこらへんでやめておいたほうが、と思うところで終わることがほとんどない。恋愛ものでそこまで「つれない態度」を取るの?と驚くこともあるが、つれないままで終わっちゃったりするのも楽しい。
タブーをタブーにしない作風じゃないかな。結構いつも立ち入り禁止区域というか。
BLは甘くてライトなのが売れ筋路線じゃないかと思うけど(私にとってはありがたくないんだけど)、木原作品に人気があるのが嬉しい。いつでもイバラな趣味の私なので、自分の好きなものが売れている、認められているという状態は嬉しくて。私はいつでも結構偉そうだが、さらに偉そうなことを書けば、こういう実力のある作家が売れているうちはこのジャンルも安泰だよね、と思っていたりする。
次の木原専用機は『さようなら〜』ですか。すべて初ノベライズ作品ってキャッチはやめるのかなー。(余計なことを…)
書き下ろしがあるのか気になる。楽しみだ。
何か語り残しているような気もするが、とりあえず2は終わり。
作品の内容について語るというより、私はこんな風に木原作品を楽しんでいます、という語り。
えーっとファンと自称しづらい私のスタンス。
その才能に惚れ込んでいて、結構信奉者に近い感想を書いたりするが、態度はわりと冷めている。たとえば絶版本を見つけても高かったら買わないとか、貴重な小冊子もオークションでは絶対に買わないとか。これは好きなもの全般に対して共通の態度なので、木原作品だから特別ってわけでもないんだけど。
木原作品特有の態度としては、ものすごく新作を楽しみにしてるし、はまることも熱くなることもあるんだけど、気分的にはちょっとだけ距離を置いているあたりかな。常に内と外、両方から見ている感覚というか。
微妙なたとえで申し訳ないが、「愛してはいるけど、恋したことはない」という感じ。
全作品に対し、ネタバレを一切考慮しないで書くので、ネタバレがダメな方はここで引き返してください
…キャラについて語ろうとすると、ネタバレになりやすいと思う。攻受の分類とかも作品によってはネタバレになるし。
既読と未読
木原作品をどれぐらい読んでいるかなと考えてみると、おそらく8割ぐらいは読んでいると思う。
・現段階で入手困難になっていない、定価で手に入る商業作品は全部。
・絶版になっている商業作品のほとんど。
・同人誌、小冊子、ペーパーの一部。
読んでいないのは、
・雑誌掲載後に単行本化、文庫化されていない作品。
これが結構な数残っていたりする。私にとってはタイトルだけ知っている幻の作品といった感じ。『美しいこと』や『FRAGILE』も長らくこの扱いだった。
・一部の同人誌と小冊子。
買ったけど読みたくない…とか、手に取りたくないから買ってないとか。そんな贅沢な理由で読んでいないもの。あとは絶版。
・携帯配信の作品。
・CD等の特典。あるのかどうか知らないけど。
好きなキャラ
だいたい好きな作品の主要キャラ=好きなキャラかな。
順位をつけたくないから、出会った(読んだ)順で。
有田(『恋愛時間』)
門脇(『あのひと』)
藤原(『脱がない男』)
初芝(『リベット』)
谷脇(植物シリーズ)
松岡(『美しいこと』)
小木(『12hours』)
谷脇以外、全部受キャラだ。分かりやすい趣味で…。
さらに細分すれば、「カッコいい、ステキvと騒ぎたくなる」キャラと、「人としてどうなの、物陰から見るだけで結構ですので」というキャラと、「いい子だ〜、応援してるからね!」というキャラに分かれる。
さて、誰がどこに入るでしょう。
あんまりクイズとして面白くないから、考えなくていいです…。
私が男ならぜひ当て馬として参戦したかった(なんか間違ってる…)のが、有田兄と初芝先生。かわいいわ〜と思ってるのが門脇と松岡。あとは困った課長と鬼畜な医者だけだから、もちろんお近づきにはなりたくない。
好みじゃないけど好感度の高いキャラとしては、
朝霞(『恋について』)
ヘタレ蝙蝠(『吸血鬼と愉快な仲間たち』)
吉川(『情熱の温度』)
亮一郎(『牛泥棒』)
横山(『プレイス』)なんかがいる。
正直に告白すれば、フルネームで覚えていたキャラはほとんどいなかった…。ここにも『箱・檻』やCOLDシリーズのキャラは入ってない。前回別枠で好きだと書いたのは、こういう理由もあって。
あと、再読すれば『嫌な奴』の三浦あたりがランクインしそう…な気もするけど、自信はない。
苦手キャラは、掛川(『セカンド・セレナーデ』)。数え上げれば苦手なキャラもたくさんいるけど、とりあえずこの人がムカつく。あと思いつくのは松下(『あのひと』)ぐらいかな。
たぶん他の苦手キャラは、設定と展開が凄すぎて単純に好き嫌いで語れないからだと思う…。
殺伐とした作風と突き抜けた展開。
今までに何度も書いているからくどくなるが、木原作品全体としてどこが好きかを。
なんといっても、作品の持つ吸引力と読み応えが素晴らしい。好き嫌いは別として、最後まで目が離せないところ。深くて濃いところ。趣味かどうかは別として「物足りない」という感想にはならない。軽くて読みやすい作品も好きだけど、やっぱりずっしりと重い作品のほうが好みだ。ドロドロとしていてもウェット感が少なく、乾いて殺伐としている作風なのが読みやすい。
あとはキャラの言動に共感できないときでも、そういうものなんだと納得できる説得力かな。
私はかなりキャラに感情移入してしまうほうなので、あまりウェットだと読んでる途中で疲れてしまう。木原作品も本来は痛すぎて、読んでてダメージが大きい作風だと思うけど、これ痛いな〜と痛さに酔える余地を残しておいてくれるというか。極端な性格のキャラに視点が固定されていたとしても、地の文には客観性が残っているところが読みやすい。ツッコミ不在の小説はどうにも読みづらいものだけど、その点でも安心で。
痛い展開が続いた後に、がらっと雰囲気を変えて甘くなるのも魅力。まさに飴と鞭(笑) …鞭ばっかりという説もきっとあると思うが。
しかも展開がグダグダにならずに徹底しているのがいい。急展開や強引な展開もたまにあると思う(冷静に読んでないからよく分からない)し、キャラの言動についていけないときもあるけど、何がどうなったの?と思うことはない。えーっと、説明が難しいな。「なしくずし」=「グダグダ」じゃないというか。「なしくずし」に持って行くなら、そこまで山脈越えしていき、「ここまで来ちゃったんだから引き返せないでしょう、普通」というところまで到達しているので、流されるキャラが苦手な私も「どうぞどうぞ」と諸手を挙げて(かどうか分からんが)賛成できるところがいい。
キャラが納得できない行動に出たときも、もはや口を挟めるような段階ではないので、引き止めたりせずに気持ちよくお見送りできる。ああ、遠くに行っちゃったね、と。で、そのキャラの視点に戻れば、その瞬間にまた感情移入できる。このへんが特殊というか、面白いなあと思う。
話の流れは本当に徹底してる。そこらへんでやめておいたほうが、と思うところで終わることがほとんどない。恋愛ものでそこまで「つれない態度」を取るの?と驚くこともあるが、つれないままで終わっちゃったりするのも楽しい。
タブーをタブーにしない作風じゃないかな。結構いつも立ち入り禁止区域というか。
BLは甘くてライトなのが売れ筋路線じゃないかと思うけど(私にとってはありがたくないんだけど)、木原作品に人気があるのが嬉しい。いつでもイバラな趣味の私なので、自分の好きなものが売れている、認められているという状態は嬉しくて。私はいつでも結構偉そうだが、さらに偉そうなことを書けば、こういう実力のある作家が売れているうちはこのジャンルも安泰だよね、と思っていたりする。
次の木原専用機は『さようなら〜』ですか。すべて初ノベライズ作品ってキャッチはやめるのかなー。(余計なことを…)
書き下ろしがあるのか気になる。楽しみだ。
何か語り残しているような気もするが、とりあえず2は終わり。
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