恋愛犯―LOVE HOLIC
2008年6月26日 凪良ゆう コメント (2)
凪良ゆう 白泉社 2008/5
これも花○ブラック。
お借りしたので、読んでみた。
ネタバレで。
ちょっと面倒なあらすじなので、久しぶりに引用。でもちょっとだけ本編読んだ後だと違和感が。攻の日永視点だから「なぜか」とか「実は」っていう展開ではないのだが…。
わー、ストーカー攻だ。木原作品みたい〜とか思った時点で自分にストップをかけた。いまや一番売れているBL作家の一人と新人さんをくらべるのもどうかと思うし、くらべてしまえば作品の出来は関係なく、2番目に読むほうがつまらなく感じるに決まってる。
というわけで仕切り直してから読んだのだが、文章は読みやすいし、じっくり描かれるので面白い。読むのを中断したとき、これ前にも読んだことなかったっけ?とそんなわけがないのに思ってしまった。私は作品に引き込まれると、たまにこういう既視感が起こることがあるので、相当集中して読んでいたのではないかと。
うーん、ストーカーかあ、モラルの問題も厄介だし、痛い?とか警戒していたが、とくに痛くはない。警察に捕まろうが、学校でいじめられようが、家族に絶縁されようが、勢田のことしか考えていないので、読んでいるこっちも楽というか。
日永が粘着質であることは確かだが、不器用で一途な部分が大きく、歪みのほうはそれほどない。でも、ヘタレ攻は好きなのに、はっきりいって日永はまったく好みではなかった。頭が悪いとか社交性がないのはいいんだけど、やっぱり勢田以外への思いやりが欠如しているのは、どうにも魅力を感じず…。けどまあ、やりたいことにしか興味が向かないっていうのは、結構分かるし、日永がバイオリンを弾く場面は結構好き。
勢田が記憶喪失になってしまい、日永が他人のふりで引き取るあたりは、これだからストーカーは…という気分にしかならなかったし、若い刑事の「説教しても無駄」というような心無い台詞を思い出し、そのとおりになったなあと思ったりした。
それに引き換え、勢田は思いやりがあって、常識があって、芯が強い、魅力的なキャラだった。そんな勢田と暮らすうちに、日永も少しずつ成長していって、最後には自分から真実を打明けようとするところが感動的だった。
またしても警察に捕まってしまう日永だったが(…)、勢田が庇ってくれてハッピーエンドというのもよかった。普通なら嫌われてしまったままでも仕方のない日永の行動だが、きちんと思いが伝わっていたということで。勢田が日永を許し、惹かれた理由もよく分かるし、日永も周囲を思いやれるぐらいになってきているので、読後感もよかったし、面白かった。
次作も楽しみな作家さんだ。このブログではちょっと感想の数が少なくて寂しい「た・な・は行」の作家さんだし。いや、そんなことはどうでもいいんだけど、なんとなく。
これも花○ブラック。
お借りしたので、読んでみた。
ネタバレで。
季節が夏に向かうとある日、日永望は街中で高校時代のクラスメイト、勢田春人を偶然に見かけた。声をかけた瞬間、勢田は歩道橋から落下し、なんと記憶を失ってしまう。そんな勢田を日永は自分のマンションへ引き取るが、なぜか彼の過去を説明しようとしない。実は日永には、勢田をストーカーしたという過去があったのだ。歪んだ過去を封印したまま、2人の奇妙な同居生活が始まったのだが…!?罪にも似た妄執は、はたして本当の愛となり得るのだろうか?期待の新鋭作家がお送りする超問題作、新レーベルで堂々の登場。
ちょっと面倒なあらすじなので、久しぶりに引用。でもちょっとだけ本編読んだ後だと違和感が。攻の日永視点だから「なぜか」とか「実は」っていう展開ではないのだが…。
わー、ストーカー攻だ。木原作品みたい〜とか思った時点で自分にストップをかけた。いまや一番売れているBL作家の一人と新人さんをくらべるのもどうかと思うし、くらべてしまえば作品の出来は関係なく、2番目に読むほうがつまらなく感じるに決まってる。
というわけで仕切り直してから読んだのだが、文章は読みやすいし、じっくり描かれるので面白い。読むのを中断したとき、これ前にも読んだことなかったっけ?とそんなわけがないのに思ってしまった。私は作品に引き込まれると、たまにこういう既視感が起こることがあるので、相当集中して読んでいたのではないかと。
うーん、ストーカーかあ、モラルの問題も厄介だし、痛い?とか警戒していたが、とくに痛くはない。警察に捕まろうが、学校でいじめられようが、家族に絶縁されようが、勢田のことしか考えていないので、読んでいるこっちも楽というか。
日永が粘着質であることは確かだが、不器用で一途な部分が大きく、歪みのほうはそれほどない。でも、ヘタレ攻は好きなのに、はっきりいって日永はまったく好みではなかった。頭が悪いとか社交性がないのはいいんだけど、やっぱり勢田以外への思いやりが欠如しているのは、どうにも魅力を感じず…。けどまあ、やりたいことにしか興味が向かないっていうのは、結構分かるし、日永がバイオリンを弾く場面は結構好き。
勢田が記憶喪失になってしまい、日永が他人のふりで引き取るあたりは、これだからストーカーは…という気分にしかならなかったし、若い刑事の「説教しても無駄」というような心無い台詞を思い出し、そのとおりになったなあと思ったりした。
それに引き換え、勢田は思いやりがあって、常識があって、芯が強い、魅力的なキャラだった。そんな勢田と暮らすうちに、日永も少しずつ成長していって、最後には自分から真実を打明けようとするところが感動的だった。
またしても警察に捕まってしまう日永だったが(…)、勢田が庇ってくれてハッピーエンドというのもよかった。普通なら嫌われてしまったままでも仕方のない日永の行動だが、きちんと思いが伝わっていたということで。勢田が日永を許し、惹かれた理由もよく分かるし、日永も周囲を思いやれるぐらいになってきているので、読後感もよかったし、面白かった。
次作も楽しみな作家さんだ。このブログではちょっと感想の数が少なくて寂しい「た・な・は行」の作家さんだし。いや、そんなことはどうでもいいんだけど、なんとなく。
コメント
木原作品うんぬんは、私もチラッと考えちゃいました。(読み手の都合・・・)
失礼かもしれないですが、りょうさんは、苦手系(犯罪)かと思ってて、意外な人が感想書かれてる!と思わず書き込みです。
私もこれ読みました〜。(感想を書きたかったのですがPC昇天中なので断念)
感想もりょうさんのにかなり同意!でした!
問題は残ってますが、読後感がよかったです。
犬系攻に弱い私には面白いというか、モエた・・・というほうが強いお話でしたが(笑)
>木原作品うんぬんは、私もチラッと考えちゃいました。(読み手の都合・・・)
あ、やっぱりですか…。こういう暴走系?を書かせたら上手い作家さんなので、つい思い出してしまいますよね。
>失礼かもしれないですが、りょうさんは、苦手系(犯罪)かと思ってて、意外な人が感想書かれてる!と思わず書き込みです。
確かに! 自分でも意外でした(笑)
食わず嫌いなので、犯罪系というだけで普段は読まないのですが、この本を貸してくれた友達が面白いと言っていたので読んでみました。結果、当たり作品だったというわけです♪
人が面白いというものは、気になってしまうんですよ〜。
>感想を書きたかったのですがPC昇天中なので断念
>感想もりょうさんのにかなり同意!でした!
南風さんのご感想も読みたかったです〜。残念…。
でも同意を得られたので嬉しいです!
>犬系攻に弱い私には面白いというか、モエた・・・というほうが強いお話でしたが(笑)
一途な大型犬タイプが好きな方にはたまらない作品ですよね(笑)
妙に純粋な上に、成長が目に見えるところも可愛いです…。