橘紅緒 大洋図書 2008/1

★★★★

初読みの作家さんだが、面白かった。…たぶんこの1冊しか趣味に合う設定の作品はないと思うけど。文章もちょっと読むのが面倒くさい感じだけど読みやすいし(ちょっと硬質)、こういう路線でまた書いてくれたら、ぜひ読みたいなあと。

ネタバレ
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リツのほうは最初はもっとクールなタイプかと思ったけど、結構親しみやすい性格で、さっぱりして見えるけど実は…っていう性格が好みだった。リアルなキャラでもないんだけど、丁寧に作ってあるのか型を感じなくてよかった。カッコいいけど、適度に人間臭くて魅力的。
エースのほうも可愛い年下攻でよかった。こちらもクールなタイプに見えるけど、中身は子供っぽくて不器用なところがいい。この子が生意気な?態度を取っていても、まあ彼はまだ20歳だから〜、と思うと許せるというか、逆に可愛く感じる。しょうがないわねーって気分。たぶんリツ(28歳)と同年代〜年上の読者のほうが、この攻は魅力的に見えるんじゃないだろうか。やっぱり一途な年下攻はいいなあと。
お互いに鈍いので気持ちの上ではなかなか進展しない二人で、ジレジレさせられたが、この不器用さがいい。両思いなのは分かりきっているので、安心してじれったく思っていられるあたりが読みやすかった。
当て馬?の元カレもカッコよかったし、アデレイダがまた可愛らしくて、脇役もそれぞれ味があった。ダンスの舞台をもうちょっと取り入れてもよかった気もするが、特殊な職業が活きていたと思うし、ダンスも恋愛もっていう贅沢なハッピーエンドもよかった。
や〜、面白かった。

どうでもいいが、最初このタイトルとダークな色使いの表紙(キャラの表情とかは小さくてよく見えない)、それと人様の感想を随分前に読んで「攻の態度が悪い」とうっすら記憶していたこともあり、きっと攻がS入ってるんだ、最初はムリヤリ風味、そして行為の後に何か鬼畜な台詞がくるに違いない、と思い込んでいた。で、きっと痛い系だし読むの気が重いわ…と身構えていた。読んだら、あれ、普通…?と。
あらすじも読まずにここまで決め付けてしまうのもどうかと思うが…。妄想が激しいせいで、食わず嫌いが多いのかも。そんなわけで、たぶん実際より3割り増しぐらい爽やかに感じた作品。

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