『風の歌を聴け』
再読した。
読み直すのは二度目か三度目だと思うけど、今回が一番深く感じ取ることができた。昔のことを思い出してしまうような作品だと思う。
この作品で作者が言いたいことは、つまりこういうことでしょ?
子供の頃から現国のテストで苦労したことがない私は、十代の頃はずっと自分は人より読解力があると勘違いしていたので、文学作品を読むと必ずそんな「感想」になった。
いまでは自分に読解力なんてものはたいして備わっていないことに気付いたので、作品の本質とか行間というものを果たしてどれだけ読み取れているのかと考えてみるようになったが、たぶんあまり分かっていないと思う。だから、まあ分からなくても自分が素直に感じたままに受け取っておけばいいんじゃないかと思うようになってきて、かえって作品を単純に楽しめるようになった。
理解を放棄するのがいいことだとは思わないが、とりあえず楽しく読めるようになったのは自分にとってプラスになったと思う。
高校のときの現国の教師は最悪だった。戦前派のおじいさんだったのだが、文学作品を授業で取り上げるときにわざわざ班を作ってその作品の解釈を話し合わせておいて、最後に「正解」を言い渡すという方法をとる人だった。一般的な解釈を無視した自分勝手な解釈を生徒に押し付けるのはどうなのかと思って、わざと「不正解」の一般的な解釈のほうで発言したので、この教師に当たった1年は珍しく国語の成績が悪かった。
大学では国文を専攻するつもりだったのだが、この経験で嫌気が差して別の道に進んでしまった。結果として、あまりその分野には興味が持てないまま卒業してしまい、適当に仕上げた卒論のことを思い出すといまだに恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。もし国文を専攻していたらもうちょっとマトモな卒論が書けたのかなあと考えると、別に大差なかっただろうという結論になるんだけど。国文を専攻しようと思っていたわりに文学作品をほとんど読んでいなかったし……。本を読むのは好きだったけど、真剣に学びたいほど好きだったわけでもないような気がするから、専攻に関して後悔はしていない。(同じ分野の中での選択をちょっと誤ってしまったのが興味を持てなかった最大の原因だと思うし)
けど、つまらない理由で勉強する機会を失ったんだと思うと、なんとなく損をしたような気分になる。その気になればいつでも勉強はできるけど、やっぱりふさわしい時期というものはあったような……。
再読した。
読み直すのは二度目か三度目だと思うけど、今回が一番深く感じ取ることができた。昔のことを思い出してしまうような作品だと思う。
この作品で作者が言いたいことは、つまりこういうことでしょ?
子供の頃から現国のテストで苦労したことがない私は、十代の頃はずっと自分は人より読解力があると勘違いしていたので、文学作品を読むと必ずそんな「感想」になった。
いまでは自分に読解力なんてものはたいして備わっていないことに気付いたので、作品の本質とか行間というものを果たしてどれだけ読み取れているのかと考えてみるようになったが、たぶんあまり分かっていないと思う。だから、まあ分からなくても自分が素直に感じたままに受け取っておけばいいんじゃないかと思うようになってきて、かえって作品を単純に楽しめるようになった。
理解を放棄するのがいいことだとは思わないが、とりあえず楽しく読めるようになったのは自分にとってプラスになったと思う。
高校のときの現国の教師は最悪だった。戦前派のおじいさんだったのだが、文学作品を授業で取り上げるときにわざわざ班を作ってその作品の解釈を話し合わせておいて、最後に「正解」を言い渡すという方法をとる人だった。一般的な解釈を無視した自分勝手な解釈を生徒に押し付けるのはどうなのかと思って、わざと「不正解」の一般的な解釈のほうで発言したので、この教師に当たった1年は珍しく国語の成績が悪かった。
大学では国文を専攻するつもりだったのだが、この経験で嫌気が差して別の道に進んでしまった。結果として、あまりその分野には興味が持てないまま卒業してしまい、適当に仕上げた卒論のことを思い出すといまだに恥ずかしい気持ちでいっぱいになる。もし国文を専攻していたらもうちょっとマトモな卒論が書けたのかなあと考えると、別に大差なかっただろうという結論になるんだけど。国文を専攻しようと思っていたわりに文学作品をほとんど読んでいなかったし……。本を読むのは好きだったけど、真剣に学びたいほど好きだったわけでもないような気がするから、専攻に関して後悔はしていない。(同じ分野の中での選択をちょっと誤ってしまったのが興味を持てなかった最大の原因だと思うし)
けど、つまらない理由で勉強する機会を失ったんだと思うと、なんとなく損をしたような気分になる。その気になればいつでも勉強はできるけど、やっぱりふさわしい時期というものはあったような……。
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