Unit Vanilla 大洋図書 2008/11

評判はたぶんよくないけど、私にとってはこのシリーズの中で一番読ませる作品はこれ。4冊目を待つまでもなさそう。
ネタと作風の好き嫌いは別として、小説として読ませてくれるところがいい。

このシリーズ、「覇者(スター)」、「誘惑(エロス)」とか「獅子(キング)」とかタイトルの漢字をいちいちカタカナで読ませるのがどうにもセンスを感じないのだが…。これも趣味の問題か。

ネタバレ
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これは木原さんでしょう。3行ぐらい読んで予想終わり。これが木原さんじゃなければ、どれだけ模倣の上手い作者なんだ?と思う。あちこちに散りばめられた木原テイストの展開、小道具の数々を本人以外が出しているとしたら、かなりマニアックだ。ネタもキャラ(とくに先輩、後輩)も木原テイストだし、徹底した暴走ぶりなんかも。
まあ外れても迷惑がかかるというものではないので(ここまで自信たっぷりに書いておいて外れてたら恥ずかしいだろうけど)、木原作品という前提で感想を書こうかと。

受の持病を手術で治すというのが今回のミッションらしい。またずいぶんと町内清掃的なしょーもない世界平和だなーと思いつつ、その持病があると二人の愛の障害になるからBL的には見過ごせないかも?とか思っておくことにした。なにかこう、体の持病より激しい妄想癖のほうが叶野の生活に支障をきたしているような気がしないでもないが。
今回はどうしてこんなに毎回しょぼいミッションなのかということに、一応の説明(フォロー?)がついている。つまり「誰を助けるか」ではなく「誰の依頼なのか」が組織としては重要ということになるのかな。内容はしょーもなく、ツッコミどころ満載であろうとも筋は通った。…つくづく読むのに邪魔な設定だが、片方が何らかの目的を持って近づくという作為的な出会いのシチュエーションを作るために必要な設定だと思うことにした。
叶野は妄想が激しくないときはまずまず常識人で、わりと感情移入しやすいタイプだった。グレッグのほうは木原作品の攻キャラとしては珍しく、普通にカッコいい。叶野の恥ずかしい勘違いから始まった関係だが、まあいい出会いだったのではないかと。
今回の作品の痛さは、この恥ずかしさです。きっと。
読みやすかったし、面白かった。

コメント

秋林 瑞佳
2008年12月2日20:26

これこれこれ!
実は完全スルー決め込んだ「アーサーズなんちゃら」、これだけ読もうかなと思ってたんですよ、あらすじ読んで。「なんかこれ…これだけ面白そうな?」という直感が働いたんです。…なんでだろ?

明日買いに行きます!
私ってば、すっかりりょうさんの日記で裏付け取って本をチェックしてる…ありがとうございます、頼りにしてます!マジで!

ところで。真崎ひかるさんの「恋でなくても」って、お読みになりました?リーフから出たのをルチルで文庫化した作品です。今週末くらいに感想をUPしようと思ってるのですが、まわりで読んでいる人がほとんどいなくて…。個人的に今年のベスト3に入ってくる作品なんですけど、真崎作品ならりょうさんお読みになっているかな?って。

りょう
2008年12月2日22:22

こんばんは~。

>「なんかこれ…これだけ面白そうな?」という直感が働いたんです。…なんでだろ?
それはきっと木原さんが好きそうな設定だからではないでしょうか(笑)

>明日買いに行きます!
え、そうなんですか……。ちょっと焦りました。木原作品だということには自信がありますし、私は面白かったのですが、密林の点数が辛いのでお奨めできるかどうかは微妙です。
でも返り討ちにあうのもBLの醍醐味ですよね……?

>ところで。真崎ひかるさんの「恋でなくても」って、お読みになりました?
買ってなかったです。でも秋林さんがそこまでおっしゃる作品ですし、スルーはできません。買ってしまうことにします♪

秋林 瑞佳
2008年12月3日6:33

>でも返り討ちにあうのもBLの醍醐味ですよね……?
万年青コーナーの挑戦者ですから♪
…基本的にこのなんちゃらシリーズ、そういうノリなんだとわかって読むのでいいんですよー♪

>真崎ひかるさんの「恋でなくても」
よくある設定のよくあるカップルのよくある話なのに、私はこれが好きなんですよ。ここ数日ずっと持ち歩いて歩いてるんです。でも、りょうさんにヒットするかわかんないです…たぶん…大丈夫のような気がします…たぶんたぶん。

りょう
2008年12月3日12:18

>…基本的にこのなんちゃらシリーズ、そういうノリなんだとわかって読むのでいいんですよー♪
安心しました~。秋林さんのご感想を楽しみにしています。余裕がありましたら、ぜひ!

>よくある設定のよくあるカップルのよくある話なのに、私はこれが好きなんですよ。ここ数日ずっと持ち歩いて歩いてるんです。
おお! 趣味に合うかどうかまでは読んでみないと分かりませんが、アタリであることは確かなようで。買うときにちらっとあらすじを読みましたが、切ない系のようですし、届くのが楽しみです!

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