COLD SLEEP
2009年1月24日 木原音瀬
木原音瀬 リブレ出版 2009/01
新装再版本。書き下ろしの短編つき。
消極的にお待ちしてました……。
好きだけど、あんまり読み返したくはなかったシリーズ。
とはいえ欲しくなかったわけでもなく、や~古本屋でボッタクリな値段で買わなくてよかった、と思ったりもした。
以下、1冊だけではなく、シリーズすべてに対してネタバレ。
この作品の場合、予備知識がないほうが楽しめるのではないかと個人的には思います。
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初期の痛い系の木原作品(初期は痛い系ばっかりな気もするが…)のひとつの到達点みたいな位置づけの作品だと思う。私は『箱檻』はまた別の意味での到達点という印象を持っている。このへんは本当に個人的な感覚なので、木原作品への個人的な思い入れ語りはこれぐらいにして…。
数年振りに再読してみて、あれ、こんな短い作品だったっけ?と思った。先の展開を知らない初読のときは、透といっしょになって先の見えなさに不安になっていたから長く感じたのかもしれない。
これはネタバレなしの状態でしか味わえない楽しみだと思うので、この作品に関してはネタバレなしで読んでほしいと思ってしまう。誰にとっても、ネタバレのない状態で読める機会は1度だけだし。
本を開くまで気が重かったが、相変わらず引き込まれるストーリーで、読み始めると一気読みだった。
シリーズ1冊目のこの作品が一番好きだった気がする。というのも、私はホワイトのほうの透が大好きで。一途で一生懸命な年下攻、可愛いです。好きな人がケーキが好きだから、ケーキ屋さんでバイトする、可愛いじゃないですか。
藤島も1巻だとイヤな部分が見えづらい。透の視点だから、不器用さがかえって可愛い年上受というイメージだし。
しかもこのシリーズ、面白いけど痛すぎてちょっと読むのがキツイから、マイルドな1巻は貴重な気がする。きた!まだきた!な、波状的痛い展開こそ、木原作品の醍醐味とはいえ……。
読み返して思ったのは、ホワイトの透もすぐに椅子を蹴ったりして、さりげなく乱暴なところが描かれているのだなということ。あとわりと利己的なところが描写されている。誰しも持っている部分に対して利己的と言ってしまうと厳しすぎるのだが、藤島が刺されて心配するのは「ひとりになりたくないから」というのが最大の理由だったりする。それが悪いって批判したいわけではなくて、えーっと、BLというよりラノベや恋愛ものだと、オブラートに包んで表現するとか、もう少しきれいに表現する感情だと思うのだが、そこを直球で、むしろ主人公の弱さの一つとして描いているようなところが、木原節だと思った。
一緒に入っている『同窓会』シリーズのほうは、思い切ったメソメソ鬱陶しい系の攻が好きじゃないのだが、話としては結構好きだし、気さくな谷口のキャラが好きだし、懐かしく読んだ。
書き下ろしは花●という新しい分野(笑)で、ほぼ出尽くしたかと思われていたBLのジャンルにまた1つ。後続はないと思われるが、開拓精神に溢れた作家さんだなーと。樹木で触手ものは読んだことあるけど、花の精でも擬人化でもなく、普通のカラーが相手ってすごいなあ(笑)
あとこのシリーズはそれぞれタイトルと内容がぴったり合ってると思う。
最初は「また適当につけたんだろうな」と大変失礼なことを思ったのだが。…こういう態度がファンじゃないよなあと自分で思うあたりで…。
面白かった。
続刊も消極的に楽しみにしている。
新装再版本。書き下ろしの短編つき。
消極的にお待ちしてました……。
好きだけど、あんまり読み返したくはなかったシリーズ。
とはいえ欲しくなかったわけでもなく、や~古本屋でボッタクリな値段で買わなくてよかった、と思ったりもした。
以下、1冊だけではなく、シリーズすべてに対してネタバレ。
この作品の場合、予備知識がないほうが楽しめるのではないかと個人的には思います。
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初期の痛い系の木原作品(初期は痛い系ばっかりな気もするが…)のひとつの到達点みたいな位置づけの作品だと思う。私は『箱檻』はまた別の意味での到達点という印象を持っている。このへんは本当に個人的な感覚なので、木原作品への個人的な思い入れ語りはこれぐらいにして…。
数年振りに再読してみて、あれ、こんな短い作品だったっけ?と思った。先の展開を知らない初読のときは、透といっしょになって先の見えなさに不安になっていたから長く感じたのかもしれない。
これはネタバレなしの状態でしか味わえない楽しみだと思うので、この作品に関してはネタバレなしで読んでほしいと思ってしまう。誰にとっても、ネタバレのない状態で読める機会は1度だけだし。
本を開くまで気が重かったが、相変わらず引き込まれるストーリーで、読み始めると一気読みだった。
シリーズ1冊目のこの作品が一番好きだった気がする。というのも、私はホワイトのほうの透が大好きで。一途で一生懸命な年下攻、可愛いです。好きな人がケーキが好きだから、ケーキ屋さんでバイトする、可愛いじゃないですか。
藤島も1巻だとイヤな部分が見えづらい。透の視点だから、不器用さがかえって可愛い年上受というイメージだし。
しかもこのシリーズ、面白いけど痛すぎてちょっと読むのがキツイから、マイルドな1巻は貴重な気がする。きた!まだきた!な、波状的痛い展開こそ、木原作品の醍醐味とはいえ……。
読み返して思ったのは、ホワイトの透もすぐに椅子を蹴ったりして、さりげなく乱暴なところが描かれているのだなということ。あとわりと利己的なところが描写されている。誰しも持っている部分に対して利己的と言ってしまうと厳しすぎるのだが、藤島が刺されて心配するのは「ひとりになりたくないから」というのが最大の理由だったりする。それが悪いって批判したいわけではなくて、えーっと、BLというよりラノベや恋愛ものだと、オブラートに包んで表現するとか、もう少しきれいに表現する感情だと思うのだが、そこを直球で、むしろ主人公の弱さの一つとして描いているようなところが、木原節だと思った。
一緒に入っている『同窓会』シリーズのほうは、思い切ったメソメソ鬱陶しい系の攻が好きじゃないのだが、話としては結構好きだし、気さくな谷口のキャラが好きだし、懐かしく読んだ。
書き下ろしは花●という新しい分野(笑)で、ほぼ出尽くしたかと思われていたBLのジャンルにまた1つ。後続はないと思われるが、開拓精神に溢れた作家さんだなーと。樹木で触手ものは読んだことあるけど、花の精でも擬人化でもなく、普通のカラーが相手ってすごいなあ(笑)
あとこのシリーズはそれぞれタイトルと内容がぴったり合ってると思う。
最初は「また適当につけたんだろうな」と大変失礼なことを思ったのだが。…こういう態度がファンじゃないよなあと自分で思うあたりで…。
面白かった。
続刊も消極的に楽しみにしている。
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