門地かおり リブレ出版 2009/2
新装版。
ネタバレ
---------------------------------------------
表題作とその続き。
なんで江戸時代なのにふたりとも髪が短いんだろうと、最初かなり違和感があったのだが、読み進めていくうちにそんなことはどうでもよくなった。
面白い。
気付いたら話に引き込まれ、主人公の恋心に感情移入していたという感じ。恋愛の心の機微が丁寧に繊細に描かれている。最近のコメディ作品しか読んだことがなかったので、ああ、こういうのも描ける人なんだ、と驚いた。
切ない話だけど、なんというかこの苦さも含めて恋愛ものの醍醐味というか。失恋ソングを聴くときと同じ気分で読めた。苦いからこそ、自分の恋愛と重ね合わせて、一途な想いが胸に響く。
もし、途中までこれと同じ展開のまま最後だけ安易なハッピーエンドに変えたとしたら、それはそれでいい話だけど、奥行きと味わいは薄れて、たぶんこれほど心に残らないと思う。
ほろ苦くて、それでいて後味がいい恋愛もの。好きだなー。
三人のキャラがまたいい。それぞれ「いい人」じゃない。けど、恋をしているからこその身勝手さは共感できて、かえっていじらしく感じられる。ひどい!っていうほどのことはしてなくて、このへんの匙加減もいいのかもしれない。
でもやっぱり主人公には幸せになってほしいのよ!という読者の欲求も「小春日和」で満たされる。よかったね~。これもまた「実は好きだった」、「嬉しい、信じられない」という話ではなく、いままでの流れを変えない形なのがいい。
「2元中継で~」
どうせなら前後もいっしょに載せてくれや、というのが正直な感想だが、まあこれだけでも結構面白かった。BLに限らず恋愛ものって、まあだいたい前後なんてなくても話は想像つく。…そんな特殊な状況ってあんまりないから。そういう意味で、一部だけ切り取ってみましたっていう話も、漫画ならアリだと思う。
いや、この作品にはちゃんと前後があるらしいのだが。なくても楽しめますよ、と。
「運命の人」
相変わらず文字での説明が多いなあと思ったりもしたけど、雰囲気があってよかった。
わりと好き。こういう、恋愛から逃げてしまう、目を逸らしてしまう、というタイプの受が結構好きで。年下攻だし。ちょっとビターな味付けなんだけど、暗くなるような話じゃないから読みやすかった。
ムリヤリが入ってるんだけど、これは別に私としては許容範囲。だって先生、この前からすでに落ちてるしなあ。両想いだったら、まあ「強引」ぐらいでおさまるんじゃないかと。これがムリヤリ→ ほだされていくってパターンだと、それはどうよって思っちゃうんだけど。
でも本当はちょっとムカついたー。ちょっとだけー。
新装版。
ネタバレ
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表題作とその続き。
なんで江戸時代なのにふたりとも髪が短いんだろうと、最初かなり違和感があったのだが、読み進めていくうちにそんなことはどうでもよくなった。
面白い。
気付いたら話に引き込まれ、主人公の恋心に感情移入していたという感じ。恋愛の心の機微が丁寧に繊細に描かれている。最近のコメディ作品しか読んだことがなかったので、ああ、こういうのも描ける人なんだ、と驚いた。
切ない話だけど、なんというかこの苦さも含めて恋愛ものの醍醐味というか。失恋ソングを聴くときと同じ気分で読めた。苦いからこそ、自分の恋愛と重ね合わせて、一途な想いが胸に響く。
もし、途中までこれと同じ展開のまま最後だけ安易なハッピーエンドに変えたとしたら、それはそれでいい話だけど、奥行きと味わいは薄れて、たぶんこれほど心に残らないと思う。
ほろ苦くて、それでいて後味がいい恋愛もの。好きだなー。
三人のキャラがまたいい。それぞれ「いい人」じゃない。けど、恋をしているからこその身勝手さは共感できて、かえっていじらしく感じられる。ひどい!っていうほどのことはしてなくて、このへんの匙加減もいいのかもしれない。
でもやっぱり主人公には幸せになってほしいのよ!という読者の欲求も「小春日和」で満たされる。よかったね~。これもまた「実は好きだった」、「嬉しい、信じられない」という話ではなく、いままでの流れを変えない形なのがいい。
「2元中継で~」
どうせなら前後もいっしょに載せてくれや、というのが正直な感想だが、まあこれだけでも結構面白かった。BLに限らず恋愛ものって、まあだいたい前後なんてなくても話は想像つく。…そんな特殊な状況ってあんまりないから。そういう意味で、一部だけ切り取ってみましたっていう話も、漫画ならアリだと思う。
いや、この作品にはちゃんと前後があるらしいのだが。なくても楽しめますよ、と。
「運命の人」
相変わらず文字での説明が多いなあと思ったりもしたけど、雰囲気があってよかった。
わりと好き。こういう、恋愛から逃げてしまう、目を逸らしてしまう、というタイプの受が結構好きで。年下攻だし。ちょっとビターな味付けなんだけど、暗くなるような話じゃないから読みやすかった。
ムリヤリが入ってるんだけど、これは別に私としては許容範囲。だって先生、この前からすでに落ちてるしなあ。両想いだったら、まあ「強引」ぐらいでおさまるんじゃないかと。これがムリヤリ→ ほだされていくってパターンだと、それはどうよって思っちゃうんだけど。
でも本当はちょっとムカついたー。ちょっとだけー。
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