河合克敏 小学館

最近の漫画って(年寄りな漫画読みなんで…)オリジナルの作品そのものが二次創作やサブカルみたいに感じることがある。型に沿った設定や展開で描いてあるから、まとまりはあるし、読者が期待するような要素をしっかり盛り込んであるんだけど、おいしいとこ取りというか薄味なことが多い…。1時間×8回の連ドラを2時間の総集編にまとめちゃったみたいな味わいしかない。
まず漫画のテンプレートが土台にあって、スポーツ漫画ならこれが常道だよね?と読者の側に暗に了解を求めてきて、「みんな知ってるでしょ」「分かりきってるよね」という前提で「当たり前」の描写は端折ってしまう。漫画を読むことに慣れた読者と、「ジャンル」というものに甘えてるとしか思えない。同じジャンルの別の漫画を読んだことがあるから説明がなくても分かるけど、それは一般的な知識じゃないし、こんな特殊な設定を作品内で説明しなくていいの?と疑問に思ってしまうことも多い。

この作品はわりと王道路線の漫画だと思う。書道部の漫画というのは目新しいけど、話の進め方は至ってスタンダード。
でも、ある意味テンプレのストーリーをとても丁寧に作っている。人の作品の廉価版じゃなくて、しっかり自分の作品という感じがする。だからスタンダードなのに面白い。力強さを感じる。
わたしは三輪ちゃんが好きー。

高校の書道の時間に王羲之の「蘭亭序」を臨書したときのことを思い出した。あれは時間がかかって大変だったけど、いま思えばいい経験になったなあと。

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