キャッツアイころがった
2009年5月28日 読書
黒川博行 東京創元社 2005/6
もとは文芸春秋かな。86年にこの作品でサントリーミステリー大賞を受賞しているそうだから、結構古い作品。
懐かしくなって再読。
ネタバレ
やっぱり面白かった。
派手な作品には派手な作品のよさがあるように、この作品には地味な作品ならではのよさがあると思う。天才で奇人変人な探偵が奇想天外なトリックを解いていく派手な作品も好きだけど、普通の刑事が出てきて、地道に事件を解決する話もいいなあと。
解説によると「華がない」とかいう理由で上記の賞を2回逃し、3度目の正直だったそうなので、地味って言っちゃいけないのかもしれないが…。
でも、出てくる刑事がおっさんなのがいいと思う。鋭いタイプなんだけど、現場の叩き上げで冴えない風体で靴底すり減らして捜査してるっていうのが、刑事ものの醍醐味っていうか!(いや私の趣味としての醍醐味だけど)
まあこの作品、探偵と助手役は美人女子大生コンビなんだけど(笑)
ただ、この女子大生は美人だし行動力も度胸もあるけど、とっても庶民的というか、名探偵振りを発揮するのに、いたって感覚が普通なところが親しみやすい。気取りがないっていえばいいのか。
というわけで、登場人物は魅力的でありながら、無理がないというか、自然な人物造詣になっていて、話も宝石の密輸が絡んだ連続殺人と、なかなか派手な設定なのに、ストーリーは地に足が着いていて読みやすい。テンポもいいし、事件解決のためにインドまでいってしまうという展開で、まったく飽きさせない。しかも登場人物の心情もおざなりになっていない。ミステリ読んでると心理描写が薄くてイヤなことがあるけど、これはクドクドせずに心情もしっかり織り込んでいっていてバランスがよかった。
なんといっても、面白い。
やっぱり好きだな~。
タイトルも素敵だなと思ってたんだけど、これは担当編集者さんが考えたものだそうで。センスのある担当さんでよかったですね。
もとは文芸春秋かな。86年にこの作品でサントリーミステリー大賞を受賞しているそうだから、結構古い作品。
懐かしくなって再読。
ネタバレ
滋賀県北部の余呉湖で、身元不明の死体が発見された。唯一の手がかりは、胃の中にあった宝石キャッツアイ。続いて京都の美大生、大阪の日雇労働者が相次いで殺害され、ともにキャッツアイを口に含んでいた。事件の鍵は殺された美大生が死の直前に旅行していたインドにあると、啓子と弘美は一路彼の地へ旅立つ…。第4回サントリーミステリー大賞を受賞した、黒川博行の出世作。
やっぱり面白かった。
派手な作品には派手な作品のよさがあるように、この作品には地味な作品ならではのよさがあると思う。天才で奇人変人な探偵が奇想天外なトリックを解いていく派手な作品も好きだけど、普通の刑事が出てきて、地道に事件を解決する話もいいなあと。
解説によると「華がない」とかいう理由で上記の賞を2回逃し、3度目の正直だったそうなので、地味って言っちゃいけないのかもしれないが…。
でも、出てくる刑事がおっさんなのがいいと思う。鋭いタイプなんだけど、現場の叩き上げで冴えない風体で靴底すり減らして捜査してるっていうのが、刑事ものの醍醐味っていうか!(いや私の趣味としての醍醐味だけど)
まあこの作品、探偵と助手役は美人女子大生コンビなんだけど(笑)
ただ、この女子大生は美人だし行動力も度胸もあるけど、とっても庶民的というか、名探偵振りを発揮するのに、いたって感覚が普通なところが親しみやすい。気取りがないっていえばいいのか。
というわけで、登場人物は魅力的でありながら、無理がないというか、自然な人物造詣になっていて、話も宝石の密輸が絡んだ連続殺人と、なかなか派手な設定なのに、ストーリーは地に足が着いていて読みやすい。テンポもいいし、事件解決のためにインドまでいってしまうという展開で、まったく飽きさせない。しかも登場人物の心情もおざなりになっていない。ミステリ読んでると心理描写が薄くてイヤなことがあるけど、これはクドクドせずに心情もしっかり織り込んでいっていてバランスがよかった。
なんといっても、面白い。
やっぱり好きだな~。
タイトルも素敵だなと思ってたんだけど、これは担当編集者さんが考えたものだそうで。センスのある担当さんでよかったですね。
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