佐々木禎子 講談社 2009/7

佐々木さんのアラブものを読むのは、これで2冊目。…アラブは私にとって結構不得意設定なのだが、1冊目はすごく読みやすかった。そんなわけで今回も期待して読んでみた。

ネタバレ
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自家用ジェットで連れ去られるというのはアラブものテンプレ冒頭だと思うけど、王子から仕事の依頼を受けているという前提があるところが佐々木さんらしい。バルファードという架空の国が舞台になっているが、日本との文化の違いを前面に出しきたりして作り物っぽさが少なく、かといってムードは目減りもしていない。さすがと書きたくなる匙加減。…アラブものってトンデモ設定が多いから、もしかしたらアラブ好きには地味すぎるかもしれないが、ふだんアラブものを読まない私には入り込みやすかった。異国情緒のある景色や建物の描写も楽しめた。
王子は強引なところもあるけど、ムリヤリもないし、受の人権もきっちり守られるところがいい。受の芳人がきっちり仕事をこなし、仕事のうえで周りから評価されるのも。
ラブストーリーとしては、じれったい再会もの+身分差ものでちょっと切なく、最後は甘いという王道で、ふたりの表には出さない情熱がよかった。
少し大人向けのアラブもので、大満足~。

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