ひちわゆか 幻冬舎コミックス 2009/02

豪放磊落な実業家×クールなエリートサラリーマン。


ネタバレ
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ちょっと神経質な受の英彦の視点なので、攻の有堂のだらしなさや図々しさがまさに最悪!という感じで始まる。うわ、こんな奴とよく同棲してたな~と思ってしまったが、奥さんが専業主婦なのが当たり前の時代なら、これぐらい普通だったかも。…養ってたわけでもないのに、全部家事を押し付けちゃマズイけど。
学生時代にふたりが別れてしまったのは、もちろんそんなことが原因ではなく。超訳すると…無神経男が珍しく気を利かせたのが裏目に出た、というオチ?が笑える。
そして本当に最悪なのは……というところに考えさせられる。男同士ならこういう感情もほしいよね~という感じでよかった。
基本的にラブコメなんだけど甘切ないところもあり、スピーディーに進むのに丁寧で読み応え十分だった。ガサツでいつでも自信たっぷりで強引な有堂がだんだん魅力的に思えてくる。一度いいなーと思い始めると、こんないい男も滅多にいないというほどの男振りで、英彦が惚れ抜いているのも当然と思えてくる。
手作りの玩具の話とか、ラブ以外の仕事の部分でも楽しめた。

「悪運」
表題作の続編。
英彦が接待ゴルフに行ったら、相手は有堂で!というところから始まる。表題作ではどちらかといえば有堂より英彦の気持ちのほうが強いように見えるのだが、そんなことはないんだよ、ということがよく分かる甘い話だった。才能、容姿、運にも恵まれた有堂だけど、情に厚いところがあり、英彦に一途で、さらに英彦の前では格好つけたいなんて可愛いところもある。今回は有堂が破産寸前まで行ってしまうのだが、お金なんてなくたってやっぱり魅力的で、すごい攻だなあと。こういうタイプは好みじゃないんだけど、好みに関係なくカッコいいと思える。
英彦のほうも「好きに使っていい」とポンと1500万あげたりして、相変わらず男前だった。追いかける相手が有堂じゃ大変だけど、この人も十分すごいよなあと。
英彦が怒っていきなり引越しというお得意の?報復手段に出たのは笑えたが、有堂の意外な反応にはほろりときた。

「運命」
オマケ的な書き下ろし短編。
相変わらず食べ物のことで怒っている英彦。クールそうなのにプリンのことで怒るところが楽しい。そしてまた有堂が余計なこと?をしていたのが分かり…甘くて相変わらずな話でよかった。有堂の視点なので本編よりしっとりめに有堂の愛情が確認できる。

石原さんのイラストもぴったりだし、笑いと甘さのバランスもよく、読みやすい。大満足。

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