木原音瀬 リブレ出版 2009/12
上下巻。
ネタバレ
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雑誌掲載の話はヤクザ×中学生のようだったので、興味のわかないカップリングだなあと思いながらも読んでみた。
で、主人公が中学生でも面白くて、「1」を一気に読み終えた。まあ可愛い系の受でもいいかと思い始めていたのに、「2」であらあらと…。高校生になった路彦のほうが信二より背が伸びたというので、ああ、逆転したのね…と微妙な気分に。
思えば、暗くてちょっと粘着質ですぐに泣く路彦は、木原作品の典型的な攻タイプ…。はっきりいってまったく趣味に合わないので、いくら年下攻が好きといっても、このカップルには逆転しないでほしかった……。
まあそんなガックリはあったものの、信二の視点に変わって話も動き始め、二人の絆も強まっていき、小説として面白くて引き込まれた。
気が強くて口は乱暴だけど、本当は弱くて優しいヤクザの信二は親しみやすいし、すぐ泣くし、いじけるけど、本当は強い路彦も好感が持てるキャラで。ふたりとも情に厚いところがあっていいなあと。
「3」のはじめぐらいまでは、木原作品にしては痛さが少なくて読みやすい。惣一が出てきたあたりから雲行きが怪しくなりはじめ、くるかなーと思っていたら、やっぱりきた。良太が見捨てられ、信二は自殺寸前まで追い込まれてからの逃避行。ただ、ガツンとくる痛さより緊迫感のほうが強いので、読みやすいとは思う。
下僕だった路彦の下克上シーンは趣味に合わないのでなんだかなあという気分になりつつも、やっと二人が結ばれてよかったなあと。わりと暖かな気持ちになれた。…可愛い系でも綺麗系でもない受に女装させることはないと思うんだが。だって似合わないだろうし、変じゃない? その格好のまま病院や警察に行ったんだと思うと、どうでもいいことながら、信二がちょっと不憫だった…。
路彦に縋りながらも、路彦のことをなんとか逃がそうと考える信二も、命がけで信二を守ろうとする路彦も格好よかった。ふたりとも怖がっているからこそ、相手のために自分の身を犠牲にできるところがすごいなあと。
信二は結局自首という形で逃げてしまうのだが、ずっと連絡を待っていた路彦が健気で感動的だった。趣味には合わないけど(しつこいな…)、幸せになってくれてよかった!
上下巻。
ネタバレ
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雑誌掲載の話はヤクザ×中学生のようだったので、興味のわかないカップリングだなあと思いながらも読んでみた。
で、主人公が中学生でも面白くて、「1」を一気に読み終えた。まあ可愛い系の受でもいいかと思い始めていたのに、「2」であらあらと…。高校生になった路彦のほうが信二より背が伸びたというので、ああ、逆転したのね…と微妙な気分に。
思えば、暗くてちょっと粘着質ですぐに泣く路彦は、木原作品の典型的な攻タイプ…。はっきりいってまったく趣味に合わないので、いくら年下攻が好きといっても、このカップルには逆転しないでほしかった……。
まあそんなガックリはあったものの、信二の視点に変わって話も動き始め、二人の絆も強まっていき、小説として面白くて引き込まれた。
気が強くて口は乱暴だけど、本当は弱くて優しいヤクザの信二は親しみやすいし、すぐ泣くし、いじけるけど、本当は強い路彦も好感が持てるキャラで。ふたりとも情に厚いところがあっていいなあと。
「3」のはじめぐらいまでは、木原作品にしては痛さが少なくて読みやすい。惣一が出てきたあたりから雲行きが怪しくなりはじめ、くるかなーと思っていたら、やっぱりきた。良太が見捨てられ、信二は自殺寸前まで追い込まれてからの逃避行。ただ、ガツンとくる痛さより緊迫感のほうが強いので、読みやすいとは思う。
下僕だった路彦の下克上シーンは趣味に合わないのでなんだかなあという気分になりつつも、やっと二人が結ばれてよかったなあと。わりと暖かな気持ちになれた。…可愛い系でも綺麗系でもない受に女装させることはないと思うんだが。だって似合わないだろうし、変じゃない? その格好のまま病院や警察に行ったんだと思うと、どうでもいいことながら、信二がちょっと不憫だった…。
路彦に縋りながらも、路彦のことをなんとか逃がそうと考える信二も、命がけで信二を守ろうとする路彦も格好よかった。ふたりとも怖がっているからこそ、相手のために自分の身を犠牲にできるところがすごいなあと。
信二は結局自首という形で逃げてしまうのだが、ずっと連絡を待っていた路彦が健気で感動的だった。趣味には合わないけど(しつこいな…)、幸せになってくれてよかった!
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