白の道程
2009年12月26日 BL作家た・な・は行
ともな李以 二見書房 2009/10
お借りしたので読んでみた。
あんまり好みに合わなかったかな…。
ネタバレ
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説明くさい文章が多いのが少々気になるぐらいで、文章は癖がなくて読みやすいし、美形もセレブも出てこない作品はかなり好みに合っているんだけど……。
攻の高田がどうしても許せなくて、かなり読み飛ばした。いや、1字1句余さず読んだけど、味わえなかったというか。
なんかねー、親友に告白できない勇気のなさも、自暴自棄で女性と付き合うのも仕方ないと思える。結婚したこともそう。最初は郡司を諦め切れなくても、そのうち成美を愛せるようになるかもしれないって可能性を感じていたのなら、許せる範囲だったと思う。
けど、郡司に想いを伝えてからの、成美への態度が酷すぎて唖然とした。
他人の人生をメチャクチャにしたっていう自覚がないようだ。いくら郡司のことで頭がいっぱいで必死だといっても、妻への罪悪感とか思いやりがまったく感じられないので、なんかもう男としてというより人間としての魅力が感じられない。
その人は血の通った人間ですよ? あなたのことを愛している、感情のある生き物なんですよ??
それが分かっているのかと訊きたくなるぐらいの思いやりの欠如。成美に対して「帰れ」ってなに? 信じられない。
郡司が浅岡に寂しさを埋めてもらおうと思ったのと違って、成美の存在が必要で利用したわけでさえないんだもんなあ…。そういう説明が少しでもあれば、また印象が違ったのだろうが、高田の説明だと情状酌量の余地がない。なんか意味もなく他人の人生を消費してるよね…。使い捨てだよね。
細かいことをいうようだが、「成美に可哀想なことをした」って言葉がすべてを物語っている気がする。相手が可哀想っていうのは責任を感じている加害者の言葉ではない。同情している第三者、あるいは上から目線じゃないと出てこない言い方じゃないだろうか。ここは「申し訳ないことをした」に類する言葉じゃないと、他人事に聞こえる。
これで郡司が「成美、ごめん。でもおれは高田が好きだから!」みたいな、恋愛で頭がいっぱいですっていう態度だったら激しく救いがなかったが、郡司は思いやりと罪悪感に溢れているので、ほっとした……。
一方で成美は、郡司が高田のことを好きだと気付いていながら、仲を取り持ってくれと頼んでいた。親友という二人の関係を思えば、これも決して誉められた行為ではないし、あざといやり方かもしれないが、高田のことが好きだから取ってしまった行動だと思えば、許せないものではない。恋をすれば利己的になるのは仕方のないことで、責める気にはなれない。彼女は恋を手に入れるために必死だっただけで、高田のように必要のないところで他人を傷つけてしまったわけじゃないから…。
それに成美の立場なら郡司を嫌ってもおかしくないのに、懐いてたしなあ…。
続編で高田の名誉挽回というか弁解というか、とにかくそれなりにフォローが入るのかと思ったが…。きみは本当に思いやりがないねえ…としか。確か本編のほうで「(成美に対して)おれにできることはなんでもする」と言っていたと思うのだが、成美が携帯の番号とアドレスを変えていたというだけで、自分から連絡を取ることさえしない。成美の親友に電話したくないそうだ。自分が何を言われるか分からないから、って理由で。しかも成美との関係を修復したい理由は、郡司の笑顔が見たいからだそうで。
郡司くん、いまならまだ間に合う。浅岡にしときなよ。
…それができれば郡司の苦労はないっていうお話。
お借りしたので読んでみた。
あんまり好みに合わなかったかな…。
ネタバレ
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説明くさい文章が多いのが少々気になるぐらいで、文章は癖がなくて読みやすいし、美形もセレブも出てこない作品はかなり好みに合っているんだけど……。
攻の高田がどうしても許せなくて、かなり読み飛ばした。いや、1字1句余さず読んだけど、味わえなかったというか。
なんかねー、親友に告白できない勇気のなさも、自暴自棄で女性と付き合うのも仕方ないと思える。結婚したこともそう。最初は郡司を諦め切れなくても、そのうち成美を愛せるようになるかもしれないって可能性を感じていたのなら、許せる範囲だったと思う。
けど、郡司に想いを伝えてからの、成美への態度が酷すぎて唖然とした。
他人の人生をメチャクチャにしたっていう自覚がないようだ。いくら郡司のことで頭がいっぱいで必死だといっても、妻への罪悪感とか思いやりがまったく感じられないので、なんかもう男としてというより人間としての魅力が感じられない。
その人は血の通った人間ですよ? あなたのことを愛している、感情のある生き物なんですよ??
それが分かっているのかと訊きたくなるぐらいの思いやりの欠如。成美に対して「帰れ」ってなに? 信じられない。
郡司が浅岡に寂しさを埋めてもらおうと思ったのと違って、成美の存在が必要で利用したわけでさえないんだもんなあ…。そういう説明が少しでもあれば、また印象が違ったのだろうが、高田の説明だと情状酌量の余地がない。なんか意味もなく他人の人生を消費してるよね…。使い捨てだよね。
細かいことをいうようだが、「成美に可哀想なことをした」って言葉がすべてを物語っている気がする。相手が可哀想っていうのは責任を感じている加害者の言葉ではない。同情している第三者、あるいは上から目線じゃないと出てこない言い方じゃないだろうか。ここは「申し訳ないことをした」に類する言葉じゃないと、他人事に聞こえる。
これで郡司が「成美、ごめん。でもおれは高田が好きだから!」みたいな、恋愛で頭がいっぱいですっていう態度だったら激しく救いがなかったが、郡司は思いやりと罪悪感に溢れているので、ほっとした……。
一方で成美は、郡司が高田のことを好きだと気付いていながら、仲を取り持ってくれと頼んでいた。親友という二人の関係を思えば、これも決して誉められた行為ではないし、あざといやり方かもしれないが、高田のことが好きだから取ってしまった行動だと思えば、許せないものではない。恋をすれば利己的になるのは仕方のないことで、責める気にはなれない。彼女は恋を手に入れるために必死だっただけで、高田のように必要のないところで他人を傷つけてしまったわけじゃないから…。
それに成美の立場なら郡司を嫌ってもおかしくないのに、懐いてたしなあ…。
続編で高田の名誉挽回というか弁解というか、とにかくそれなりにフォローが入るのかと思ったが…。きみは本当に思いやりがないねえ…としか。確か本編のほうで「(成美に対して)おれにできることはなんでもする」と言っていたと思うのだが、成美が携帯の番号とアドレスを変えていたというだけで、自分から連絡を取ることさえしない。成美の親友に電話したくないそうだ。自分が何を言われるか分からないから、って理由で。しかも成美との関係を修復したい理由は、郡司の笑顔が見たいからだそうで。
郡司くん、いまならまだ間に合う。浅岡にしときなよ。
…それができれば郡司の苦労はないっていうお話。
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