『エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー』
リブレ出版 2009/06

今年のうちに読んでおかねばという義務感で、別に頑張る必要もないのに、今日1日ですべて読み終えて、感想まで書いてしまった。
うう…、疲れた。
全体に1より地味だが、内容的には今回のほうが充実していた気がする。

ネタバレ。
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★評価は個人的な趣味でつけているので、これから読む人の参考にはならないと思う。


『大人のおイタ』中原一也 ★★★☆
36歳の幼馴染ということで、趣味に合うCPだった。
いつもの通り(?)AV、お道具、コスプレと揃っていて笑えた。
ちゃんとラブもあったし、面白かった。


『夜間飛行』かわい有美子 ★★★☆
時代、外国ものだから仕方ないのかもしれないが、服装と容姿の描写がくどい。
まあ軍隊もの(しかもナチス)だから端折れない部分ではあるんだろうけど、なんか説明が行ったり来たりして、整理がついていないような…。読みづらかった。
お得意のしっとりした雰囲気と美人受なので話は面白かったが、少し物足りず、長編で読みたい題材だなあと。
どうでもいいが、空軍のエースを女王呼ばわりするのは普通に考えれば侮辱だ…。本当に尊敬されてるのか?


『視線』藤森ちひろ ★★
生徒×教師は好きなんだけど、キャラに魅力を感じなかった。
受が淫乱になりすぎて色気を感じなかったし、脅迫されているけど実は…という設定も、粘着質な感じで萎えた。


『秘教の女神は蜜にまみれて』 いとう由貴 ★☆
イントロは道に迷ったところからでもいいような。なんか最初と最後が冗長でだれるなあと。
100人の候補の中から選ばれたという話はいくらなんでもとあきれた。毎月100人って暇すぎる。
しかも生涯続くって、3人揃って同じ趣味な上に、飽きもしないのだろうか?
そんなに魅力もなさそうな受なのに、若い子のほうがいいとかならないのか。
ところで神さまの名前を名乗っている3人だが、インド人としては神さまの名前をつけるのはポピュラーなことだそうだ。
単なる偽名だとよかったんだが。失礼だから…。


『好きだから。』夢乃咲実 ★☆
一人称「僕」、男子校、生徒会長、美少年。このキーワードが好きな人なら楽しいのかも。
厳しいなあと思って読みはじめたが、想像通りの作風で、ある意味読みやすかった。
受の実況中継は「!」が多くてちょっと笑えるが、ひねりがなさすぎて面白くなかった。


『人狼伝説・淫猥な罠に堕ちて』愁堂れな ★
この内容でタイトルに伝説とかつけられてもなあ……。
普通に学校に通いながら、目立たないためにクラスメートと口をきかないという受は悪目立ちしているんじゃ…。
あと学者だという攻の兄が、「諸君」などと言って助手を使っているのが滑稽でしょうがない。研究といいつつ、どう考えても生物学に関係のないことまで大真面目にやっているのもアホすぎて笑えなくなった…。


『離れられない』桂生青依 ★★☆
リーマンものだし読みやすいし、最初は楽しかった。
別れるって云われたからって、いきなりそんな変態的な要求をしてくる攻には驚くが、まあそれは「エロとじv」だからと思えた。
で、受が会社を盾に脅迫され、身を引く決意をしたのはいいとして、口止めされていた脅迫の件を喋ってしまうのが、別れたくないからっていう理由なのがちょっと残念。
そこは攻のためであってほしかった。そのほうが健気度が上がるし。
攻に苛められている間も、もうすぐ別れるんだっていう切なさにプラスして、攻の心情を思いやる描写が欲しかったなー。
あと、口を割ってお終いというのも、ちょっと物足りなかった。わりと趣味に合っていただけに残念。


『夏休み』夜光花 ★☆
うーん…。なんでこんなにこの兄弟は異常になってしまったのか…。
別に異常性がなくても、取り立てて男としての魅力もないし…。
話に筋がないし、独占欲のない攻は趣味に合わないのでつまらなかった。


『玉響に永遠を誓う』遠野春日 ★☆
あまり雰囲気のない中華風時代FT。
受を手に入れるために叛逆して皇帝になってみました、という攻はスケールが大きいようでいて器が小さい、つまらない男だ…。気位の高い元皇帝という設定の受も、とくにプライドや高貴さを感じないので、これまた魅力に欠ける。
結局両思いでしたっていうオチも、臣下の皆さんは超迷惑だろう。いつかこの屈辱を晴らすべく、奮起してもらいたい…。


『悪魔の証明』ふゆの仁子 ★★☆
ヤクザ×大学教授。なかなか凝った設定の話で面白かった。
短い話なのに、しっかり中身が詰まっているというか。
教授のキャラに奥行きがあるし、ラストもひねりがあった。


『淫夢』玉木ゆら ★★★☆
触手(妖魔)×山伏。なんで山伏??と思ったし、別に生い立ちを暗くしなくてもいいと思うし、村人に普通に感謝されながら妖魔退治に向かってもよかったんじゃないかと思った。
正直、触手ものにきちんとしたストーリーなんて期待していなかったので、無駄な設定だと勘違いしたんだけど。
でもそういう辛い経験が、孤独な妖魔との心の交流に繋がっていて面白かった。
…いたわりのある触手って設定にも驚いたし、それ以上にちゃんと話の筋と心理描写があることに驚いた。


『扉』花郎藤子 ★★
秘密クラブの調教もの。まあ趣味に合わない設定なので、最初から目が滑ったが…。
社員のことを考える社長は偉いのだろうが、なんだか会社の行く末が心配になった。
あと前振りが長すぎて、ちょっと退屈した。


『番舞』浅見茉莉 ★★☆
時代物。わりと好きな時代設定だし、キャラも好きだったので楽しめた。
ただ、わりとあっさり終わってしまうというか、イマイチ盛り上がらなかった。
別にこの話なら素直に愛を確かめ合ってもよかった気がするんだけど、それだとエロが不足するんだろうか?


『契約の対価』高尾理一 ★★★
馬主×騎手。
有馬、取れなかったんだよ!という個人的な傷口?を抉られる設定だった。…そんなことはどうでもいいが。
素直に気持ちを確かめ合えないものの、二人にラブがあって面白かった。攻がちょっと変態なのは「エロとじv」だからしょうがない。
受のほうに、仕事に対する思い入れがあるのがよかった。

コメント

nophoto
すくも
2009年12月28日0:02

課題提出お疲れさまでした。…って、私が無理に押し付けたんですが。すみません;
痛快なツッコミの数々に頷きながら笑わせていただきました。特にかわいさんや愁堂さんの作品のレビューには大納得です!
遠野さんのレビューの〆の言葉も。面白すぎでした。下克上のさらに下克上があったら画期的ですね。

有馬とエロとじの傷口を癒せるように、また近々本を送り付けさせていただきます(目下大掃除を兼ねて荷作り中です)。
お楽しみに~♪

りょう
2009年12月28日12:23

課題の提出が遅くなってすみません!

>痛快なツッコミの数々に頷きながら笑わせていただきました。特にかわいさんや愁堂さんの作品のレビューには大納得です!

年末に笑っていただけて嬉しいです。
このアンソロの感想に限っては、ツッコミを入れることに意義があると思ってます(笑)
小心者なので、各作家さんのファンに見られないことを祈るばかりです……。

>下克上のさらに下克上があったら画期的ですね。

気の毒な臣下の皆さんには、BL的な意味じゃない真の下克上を目指していただきたいです…。

>また近々本を送り付けさせていただきます

ありがとうございます!
おかげさまで来年もBL道に邁進できそうです♪
私も年明けに長らくお借りしていたテキストをごっそりお返ししようかと……。年内には送りませんので、ご安心ください(?)

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