甘い運命

2010年3月2日 高遠琉加
高遠琉加 二見書房 2010/2

レストランシリーズの番外編。

ネタバレ
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1巻にちょこっと載っていた、パティシエの樫崎の話。(いや、一って書いたほうが分かりやすいんだけど、横書きだと読みづらいんで名字で…)

1巻出たとき、高遠さんとは思えない(?)サービス(=おじさん受)のよさに驚いたのを思い出した。高遠さんといえば、年上受でもきれい系、可愛い系が多いイメージがある。おじさん受は初めてなんじゃ?
ちなみにオヤジ受と書かないのは、湯原のイメージが草食系で、オヤジというよりおじさんって感じだからで、とくに意味はない。
湯原は…樫崎が18歳のときに30そこそこだったはずだから、40前後なのかな。どこかに正確な年齢も書いてあったかもしれないけど、まあとにかくそれぐらいだったはず。
でも私への最大のサービスは海ちゃんの可愛らしさかな♪

ストーリーは樫崎の家庭の事情や少年院に入っていたという過去のあたりを丁寧に描いていて、感情移入しやすいし、面白かった。ゆきという女性とのほのぼのした関係がいいなあと。高遠さんは、こういう恋愛以外の人間関係を描くのも上手いなあといつも思う。
先生への感情も、興味のないところから徐々に家族みたいな愛情に変わり、そこからさらに恋愛へっていう過程を急がず焦らず描いているのがよかった。
同居を始めたあたりでは、赤ん坊の可愛らしさが最高だった。先生と樫崎二人での同居だったら、ここまで暖かい関係には発展しなかったんじゃないかと思う。
海ちゃんが父親に引き取られる場面では、親子というのはそれほど絶対的な関係なのかな?と疑問に思ってしまった。…世の中には実の親に虐待される子供は大勢いるし、樫崎もその1人なので、愛情を持って育ててくれた湯原と樫崎は実の親以上の存在だし、海本人が望まないなら父親が引き取ることもないのになあとか…。
子供にとっての幸せってなんだろうと思ってしまった。いやこの話の場合は、父親もすごくいい人で、愛情を持っているという設定なので、引き取られるのがよくないとは思わないんだけど…。
海がいなくなったことで、樫崎と湯原の関係は進展するわけだし、まあいつかは離れていくものだけど、ちょっと寂しくなってしまった。というわけで、海ちゃんが会いにくる場面はほろりとした。

一途な樫崎の恋もよかったし、暖かい話でよかった。高遠さんらしく、文章はちょっとセンシティブで寡黙攻×おじさん受って感じでもないんだけど、恋愛以外の部分も含めて、感情移入しやすかった。
元教え子×教師という部分でためらいがあるあたりも。

それにしても樫崎はさすがパティシエだけあって?、寡黙なイメージに反してとても熱く甘い男だった(笑)
大満足~。

イラストもイメージに合ってたし、結構よかったと思うけどなあ。いやご本人がすごく謙遜して「力不足で」と書いてたので、そんなことないのになあと思ったもので。

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