砂原糖子 幻冬舎コミックス 2010/02

絵柄だけじゃなく、表情やポーズまで含めて苦手系のイラストだったんで買うのをためらってしまったが、話は面白かった。


ネタバレ
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復讐ものってことはドロドロ系?と思ったら、わりとほのぼの系だった。
最初はまあ重たい話でもあったんだけど、何か事情がありそうな含みもあったし、主人公がそれほどダークな心理状態じゃないように思えたから。
で、復讐のために不幸にしてやろうと近付いた相手は、生い立ちゆえに無愛想、真面目すぎて不器用、ドジな税理士で、しかも現在は妻に捨てられて仕事もうまくいってないという、不幸な状態だったという。
砂原さん、こういう状況を描くのがうまいなあと。あと孤独な老人とか、主人公の不器用さとか。
話に意外性みたいなものはなかったけど、どっちの方向に進むのかなって楽しみな部分は多かった。受の志田を完全な白にしてしまったのは、BLらしいし、後味もいいのだが、ちょっと物足りなかったかな。
ただ無罪を勝ち取ろうとせず、復讐のために近付いたと知っても真岸を責めずに贖罪ができたと言うあたりの、特異にも感じる志田の考え方にはブレがなくて、感情移入はしづらいが、妙に説得力があった。
あと二人が出会ったことがお互いの前進に繋がったこともよかったなあと。

イラストはやっぱり最後まで好きにはなれなかったけど、作品イメージには合っているかもしれない。少なくと、薄い絵柄や可愛らしい絵柄よりはずっとよかった。

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