かわい有美子 幻冬舎コミックス 2010/02

これは好きな作品だったのだが、好きだっただけに買う気が起きず、お借りしてしまった。


ネタバレ。ファンの方は読まないでください。
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原型みたいな作品は既読。かなり好きな作品なので、ずーっと続きを楽しみにしていた。もう少し早い段階で続きを書いていただきたかった。
雑誌掲載時に少しばかり雰囲気が損なわれていると教えていただいたが、それでもまだ中身については期待していた。単行本の発売時にタイトルを見たときに、「ああ、私の求めてる話ではなくなっているんだろうなあ」という諦めがついた……。で、買えなくてお借りしてしまったという。…なんでこんなに雰囲気のないタイトルにしてしまったのかな。
…いや、そんな貶すような作品ではないです、これは。ただ、まあ思い入れがあるだけに、私が少し感傷的になっているだけで。
なんかこう「日和った」とかいって離れていくコアなロックファンみたいだな(苦笑)

もともとは『夢色十夜』のBL版みたいな作品だったと思う。とくにキャラ設定は、最初は意図的に似たような設定にしていたらしいし、時代も被る。
そんなわけで今市子さんのイラストでイメージが出来上がっていたので、今回、表紙を見たときにイメージに合わなくてガッカリした。…失礼ながら、私は金さんのイラストの美形キャラと平凡キャラの違いが分からない。

小説のほうは、感傷的な気分で読まなければ面白かったと思う。大好きな時代設定だし、しっとりとした雰囲気もあるし、キャラも3人とも好感が持てるタイプだし。まったくの初読なら、「久し振りに趣味に合うかわい作品」とかいって喜んでいたかもしれない。
ちなみに「変ってしまった」と思うのは、別に三人の関係性が変ったからではなく、もっと感覚的な部分の問題。でもその感覚的な部分で思い入れのある作品だったので、別の作品になってしまったかなという気分は拭いきれず…。
ラノベに対しての感想としては陳腐だけど、分かりやすくしすぎてしまったというか、…濃密な雰囲気が失われたような気がする。
短編連作という形のほうが私の好みには合ったかもしれないなあ。

面白かったけど、勝手に期待していた種類の面白さではなかった。

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