栗城偲 海王社 2010/1
癒されたくて、四十路カップル。
ガッシュ文庫とは、珍しいものを手に取ったなあと。
ネタバレ
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二人とも40代、20年以上の付き合いで、倦怠期なカップル。
カップルとしては大学教授×作家という、かなり派手な設定なんだけど、話としては地味~な設定。でもその地味なところが私の趣味としては美味しい設定で、読むのが楽しみだった。
文章は丁寧な感じだし(じっくり書いてる感じがする)、キャラも共感しやすい、普通の感覚を持ち合わせていて、読みやすかった。
話は攻の視点の旅行話と受の視点の学生時代の回想、後日談に分かれている。
攻視点の話は、攻のいい人過ぎない優しさや包容力が魅力的だし、恋人との関係を振り返るという話が面白かった。なんかこう…、BLって二人の関係を作るまでと、その後のすれ違いみたいな話は多いけど、二人の関係を育てたり振り返ったりという、現実の恋愛なら当然あるべき部分が描かれることが少ないから、そういう意味で貴重な作品じゃないかと。「事件」なしの落ち着いた恋愛というのは、今まで読んできたBLには求めることができなかった要素だし。
学生時代の回想では少し「事件」もあるんだけど、それよりも二人の距離が縮まっていくまでの心情の流れが重視されているし、自然に感じられた。早すぎる「プロポーズ」は唐突ではあるんだけど、不自然ではない。
そんなわけで、とても楽しく読んだが、攻を旅に連れ出す大学生が幼すぎることが、ちょっと気になった。いや、大学生が完全に大人だとは思えないけど、なんていうのかな~、成人していればもう少し「顔だけは大人」みたいな部分があるというか。
「大人は嘘つきだから大嫌い」なんて、普通の大学生なら(たとえ中身が子供のままであろうと)恥ずかしくて言えないんじゃないかと思う。あと、うさぎのヌイグルミを持ち歩く大学生って…、いくら事情があっても引いちゃうものが。
なんかこの辺で、いまいち感情移入できなかった。
後日談は余計だった気がする。話がブツ切りだからテンポも悪いし、大学生のほうはもう少し出番を控えめにして、二人の日常のラブラブでも書いたほうがよかったんじゃないかなー。
癒されたくて、四十路カップル。
ガッシュ文庫とは、珍しいものを手に取ったなあと。
ネタバレ
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二人とも40代、20年以上の付き合いで、倦怠期なカップル。
カップルとしては大学教授×作家という、かなり派手な設定なんだけど、話としては地味~な設定。でもその地味なところが私の趣味としては美味しい設定で、読むのが楽しみだった。
文章は丁寧な感じだし(じっくり書いてる感じがする)、キャラも共感しやすい、普通の感覚を持ち合わせていて、読みやすかった。
話は攻の視点の旅行話と受の視点の学生時代の回想、後日談に分かれている。
攻視点の話は、攻のいい人過ぎない優しさや包容力が魅力的だし、恋人との関係を振り返るという話が面白かった。なんかこう…、BLって二人の関係を作るまでと、その後のすれ違いみたいな話は多いけど、二人の関係を育てたり振り返ったりという、現実の恋愛なら当然あるべき部分が描かれることが少ないから、そういう意味で貴重な作品じゃないかと。「事件」なしの落ち着いた恋愛というのは、今まで読んできたBLには求めることができなかった要素だし。
学生時代の回想では少し「事件」もあるんだけど、それよりも二人の距離が縮まっていくまでの心情の流れが重視されているし、自然に感じられた。早すぎる「プロポーズ」は唐突ではあるんだけど、不自然ではない。
そんなわけで、とても楽しく読んだが、攻を旅に連れ出す大学生が幼すぎることが、ちょっと気になった。いや、大学生が完全に大人だとは思えないけど、なんていうのかな~、成人していればもう少し「顔だけは大人」みたいな部分があるというか。
「大人は嘘つきだから大嫌い」なんて、普通の大学生なら(たとえ中身が子供のままであろうと)恥ずかしくて言えないんじゃないかと思う。あと、うさぎのヌイグルミを持ち歩く大学生って…、いくら事情があっても引いちゃうものが。
なんかこの辺で、いまいち感情移入できなかった。
後日談は余計だった気がする。話がブツ切りだからテンポも悪いし、大学生のほうはもう少し出番を控えめにして、二人の日常のラブラブでも書いたほうがよかったんじゃないかなー。
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