バーバラ片桐 幻冬舎コミックス 2010

バーバラ作品2作目に挑戦。

ネタバレ
犯罪心理学者の佐倉は、高校生の頃、好意を抱いていた同級生の上江田に、ストーカーをしてしまった。すぐに本人に知られ、そのとき上江田に罰として口淫させられたことを、佐倉は今でも忘れられずにいる。そんなある日、刑事となっていた上江田が、あるストーカー事件の捜査に協力するよう、佐倉に依頼をしてきた。まだ上江田のことが好きな佐倉は、捜査に協力する代わりにご褒美をおねだりするが…。

…どうでもいいが、あらすじの文章が読みづらい。赤ペンを入れたくなるタイプのぎこちなさ。

ついでに本編の文章についても。
文章もテンポも読みやすかった。『愛してるって~』の感想で、台詞が口語になってないよーと書いたが、この作品ではほぼ話し言葉になってた。一部、引っかかるところもあったけど、まあ重箱の隅的程度(何語?)だし、意識してなければ気にならないかもしれない。大学教授や刑事という職業では普通の人より堅苦しい言葉に接する機会が多いだろうと思えば、かえって自然な感じもした。

感想…、感想を書かないと。
「ストーカーはじめました。」というより、「ストーカーやめました。」って話。
正直、こういう性癖が理解できんので、共感はしづらかった。相手に嫌がられてもポシティブに捉えてしまうストーカー思考も、被虐趣味も加虐趣味も数々のお道具もさっぱり分からない。クールな佐倉のほうがカッコいいので、「ご褒美中」のおねだりする姿は(趣味的に)残念としか思えず…。
うーん…、理解や共感がなくても小説としては楽しめるし、実際に面白く読んだんだけど、恋愛のトキメキ(笑)はなかったなあ。

普通ならストーカーの佐倉のほうが魅力が分かりづらいと思うんだけど、この作品の場合、どちらかというとストーカー被害を受けていた攻の上江田の魅力のほうが分からなかった。どこがそんなに(ストーカーするほどというより、10年片思いするほど)いいの??って思ってしまった。
…いや、単に偉そうな攻が好きじゃないってだけの話かもしれないけど。
一方、佐倉のほうは魅力が分かりやすい。将来の夢はお嫁さんと言い切っていた元ストーカーで、犯罪心理学になった今でも間違いなく変態というキャラだが、笑えるほどの一途さが可愛く思えてくる。
まあいいじゃないですか変態だって。社会に順応してるし有能だし、上江田専門の変態だから他の人に害はないし。…その「被害者」の上江田にしても佐倉相手だとS全開という感じ。お互いがお互いに対してだけ変態になるなら、それはただの恋愛なんで。
というわけで、トキメキはなかったが、恋愛物としても楽しめた。

ところで、あとがきに「担当さんに受がストーカーならOKと言われた」というようなことが書いてあったけど、どういう基準なのかよく分からなかった。受のほうが犯罪という意味でソフトになりやすいからかな?
どっちかというと、執着受より執着攻のほうが需要があるような気がするけどなあ。まあ私は執着攻って好きじゃないから、受がストーカーのほうが読みやすかった。

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