弔愛―群れなす天使の歌声に
2010年10月30日 鳩村衣杏
鳩村衣杏 海王社 2009/02
お題はハードボイルドのBL。
BLで「ハードボイルド風味」や「サスペンス仕立て」をやると、有名作品のパロディを読んでいるような気分になることがある。べつに中身が薄っぺらいと批判しているわけではなく(批判したくなるのも多いけど)、単に「この作品はあくまでBL。ハードボイルドは味付け」というスタンスで書かれているだけのことなんだけど。まあ軽いので…、物足りないことも。イチゴ味のお菓子とイチゴぐらいの隔たりがあるというか。比べるのが間違いで、最初から別物と思っとくべき。
この作品はどうかな?というところから、読み始めた。
ネタバレ
---------------------------------------------
文体や雰囲気もハードボイルド風味に仕上げていて、凝っているなあと。BLの読みやすさ(とっつきやすさ)を残しつつ、「私立探偵」に違和感のない作風になっている。ヘタレ探偵に謎の美女(いや男だけど…)という組み合わせ、亡き親友の謎の遺言とか、いかにもな設定が多い。けど、男臭さはまったくないので、やっぱりBLだなあという感じ。
ストーリーは城上と憂里それぞれの抱える事情や麻薬の密売が絡み、図式は単純ながら登場人物は雁字搦めにされていて奥行きがある。
好みの問題だけど、親友は純粋に親友のほうがよかったなあ。うーん、「親友を死に追いやった男を好きになる」のはまだ共感しやすいけど、「好きだった幼馴染を死に追いやった男を好きになる」のはちょっと死んだ男が浮かばれない感じ。
城上に恋人ができても、親友なら「とられた」ってことにはならないけど、恋愛が絡むとちょっと…。まあどちらにしても「親友への裏切り」にはなると思う。
親友の一之瀬は死んでしまっているので、城上が一人でいるよりは恋人を作ってくれたほうがいいんだろうけど、読んでて複雑というか…。
憂里の生き方を見ていると、生きてるほうが辛そうだとつい思ってしまう…。でも、息子が男に体を売って麻薬の密売をさせられながら籠の中で生きること強いられても、「生きていさえすればいい」と思う母親は正しいんだろうなあ。
お題はハードボイルドのBL。
BLで「ハードボイルド風味」や「サスペンス仕立て」をやると、有名作品のパロディを読んでいるような気分になることがある。べつに中身が薄っぺらいと批判しているわけではなく(批判したくなるのも多いけど)、単に「この作品はあくまでBL。ハードボイルドは味付け」というスタンスで書かれているだけのことなんだけど。まあ軽いので…、物足りないことも。イチゴ味のお菓子とイチゴぐらいの隔たりがあるというか。比べるのが間違いで、最初から別物と思っとくべき。
この作品はどうかな?というところから、読み始めた。
ネタバレ
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文体や雰囲気もハードボイルド風味に仕上げていて、凝っているなあと。BLの読みやすさ(とっつきやすさ)を残しつつ、「私立探偵」に違和感のない作風になっている。ヘタレ探偵に謎の美女(いや男だけど…)という組み合わせ、亡き親友の謎の遺言とか、いかにもな設定が多い。けど、男臭さはまったくないので、やっぱりBLだなあという感じ。
ストーリーは城上と憂里それぞれの抱える事情や麻薬の密売が絡み、図式は単純ながら登場人物は雁字搦めにされていて奥行きがある。
好みの問題だけど、親友は純粋に親友のほうがよかったなあ。うーん、「親友を死に追いやった男を好きになる」のはまだ共感しやすいけど、「好きだった幼馴染を死に追いやった男を好きになる」のはちょっと死んだ男が浮かばれない感じ。
城上に恋人ができても、親友なら「とられた」ってことにはならないけど、恋愛が絡むとちょっと…。まあどちらにしても「親友への裏切り」にはなると思う。
親友の一之瀬は死んでしまっているので、城上が一人でいるよりは恋人を作ってくれたほうがいいんだろうけど、読んでて複雑というか…。
憂里の生き方を見ていると、生きてるほうが辛そうだとつい思ってしまう…。でも、息子が男に体を売って麻薬の密売をさせられながら籠の中で生きること強いられても、「生きていさえすればいい」と思う母親は正しいんだろうなあ。
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