中原一也 二見書房 2010/10

面白かった!

ネタバレ
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刑事×鍵師。

ワイルド無精髭のオヤジ攻というだけで、もう私の趣味には合わない。ついでに言えば、攻によって「自分の中の女を意識する」という中原作品の受はちょっとなーと思うのだが、趣味に合わなくても面白かった、小説としてでなく、BL小説として。
趣味に合わない設定でも、話が面白くてキャラが魅力的なら、言うことなしだなと思った。

能力を封じている天才鍵師が、その能力ゆえにテロ組織に追われ、刑事と逃亡生活というストーリーだけでも面白いんだけど、二人が少しずつ相手のことを知り、触れ合っていく過程がいいなあと。話のテンポはいいけど、恋愛面に関しては急がず焦らず進んでいくので、読み応えたっぷり。
事件×恋愛のバランスがお見事でした!

刑事にも鍵師にもそれぞれカッコイイ見せ場があるし、惚れちゃうのも分かるなーという魅力的なキャラだった。
煙草を一本吸い終わってから仕事にかかるっていう、ちょっとオールドスタイルなところが、「鍵師」のイメージにぴったりで、味があってよかった。
設定や展開に目新しさはないけど、中原作品の魅力が分かりやすく出ていた。オヤジはこうでなくちゃという、オヤジっぷりがよかった。なんていうか、「オヤジはこういうもの」っていう型に当てはめるんじゃなくて、もう作品世界そのものがオヤジ向けにできていて、漂う空気からしてオヤジって感じ?(笑)
いや、ほんと、こういう味の出せるBL作家さんって、あんまりいないんじゃないかと。まさに中原作品ならではの味わいじゃないかと。

作品とはそれほど関係ないけど、現在のチェルノブイリや「人間だけいなくなったら、世界はどうなるか」という試算は、テレビで見たばかりだったので、あの番組がネタなのかなあとか思った。

コメント

”D”
2010年11月6日14:01

すみません、全然作品や感想と関係ないのですが…、最初に一瞬、

「鍼師」の流儀

と見間違えて…。
それは腰痛や肩凝りがとれそうな…などと思ってしまいました。

ごめんなさい。

りょう
2010年11月6日22:05

「鍼師」ですか!(笑)
個人的には、鍵師よりお世話になりそうです~。
BL的には、攻キャラの職業?という気もしますが、実はこの鍵師さん(受)、
タトゥ・アーティストなので(手彫りではないようですが)、なんとなくイメージは近い気がします~。


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