『猫はいつでも甘やかされる』
榎田尤利 大洋図書 2003/03

再読。『放蕩長屋の猫』のスピンオフなんだけど、この作品は先に読んでて、水曜に『放蕩~』を読んだので、ついでに読み返してみた。
本編タイトルの「放蕩」は、『猫は~』の主人公の春彦のことだし、必然的な?スピンオフ。

表紙の環さん(猫)、すごい顔。そして人間と比べると、すごいサイズだって分かりやすい(笑)
うーん、8キロもある猫って見たことないような気がするけど、実際これぐらいのサイズなんだろうなあ。とにかく重そうだ。

この話もキャラが趣味に合わないんだけど、読みやすくて面白い。

ネタバレ
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前半はシュウの自業自得な失敗ぶりが読んでて居たたまれないというか…。で、なんでそんなに感じが悪くなっちゃったのか、という事情で同情する。同時に、シュウも失敗してから少しずつ成長しているので、応援もしやすい。
けど、春彦を好きになったあたりは唐突に感じた。グループ内で仲がいいなあと思っていた二人がいつの間にか付き合ってました、みたいな印象。両視点なのが、分かりやすい一方で、感情移入もしづらい。話は出会いから始まっているのに、「好きになりました」というより、「前から好きでした」に近いような。
ラストはエダさんらしいなあ。
ほとんどの作家さんは逆パターンにすると思うんだけど、エダさんの場合は
住んでる環境が違う二人が付き合い始めたとき、攻が受に合わせることが多いような気がする。
セレブな攻の豪華マンションで同棲しますとか、天才の攻に受がついていきますとか、そういうパターンは少ないような。

そういうところが私の趣味としては読みやすくていいんだけど、今回は舞台が作品の大きな魅力のひとつだったのに、その下町を出て行くというのが、ちょーっと寂しかったかな。エダ作品に多い、もっと二人の仲のいいところを見たいのにラストは第三者視点にするっていうパターンも同じことで、それが悪いとは思わないけど、個人的にはちょっとガッカリする。
まあ作品自体が面白くなければ味わえない種類の、ある意味ものすごく贅沢なガッカリ感なんだけど(笑)

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