高遠琉加 海王社 2010/12

正直、このタイトルなので趣味に合わないだろうと思っていた。

ネタバレ
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…高遠作品が、そんなハードなわけがなかった(笑)
いつも通り優しい話だし、さすが~!という丁寧さで描かれていて楽しめた。地味だし、まあ目新しい設定や展開はないんだけど、私はこういう恋愛をじっくり描く話が好き。しかも恋愛以外の要素も疎かにしていないところがいい。
いきなり語るようだが。
私にとってBLのよさってなんだろう、と考えると、10代向けのラノベより少し大人向けで、「普通の人」やあくまで日常の、地に足が着いた設定が許されるところ。それから一般的な男女の恋愛ものにある「現実なんて、こんなもの」というドライさがなく、夢見がちなところかなあと。大人のためのラノベっていうか。
高遠さんの作品はそれらの条件を満たしているから、わりとどんな設定でも楽しめる。

全然知らなかったので、あのレストランが出てきたことには驚いた。チラッとだけどシェフとディレクトールも出てきて嬉しいサプライズだった。

面白かったし満足したし、丁寧に書かれていることは間違いないと思うのだが、正直なところ小粒だった。安定感はあるけど、パワーはない。と書くと厳しい気がするんだけど、たぶんこういう作品は23冊目に書くことはあっても、3作目(初期)や30作目(記念になる作品)には書かないだろうなあと。良くも悪くも安定したパターンにはまった作品だったかな。それが悪いとは思わないけど、印象として。

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