角川書店 1990/10
ネタバレ
このあらすじを初めて読んだときは、笑ってしまった。
でも、再読の今回は「やっぱり凄いわ」なんて笑いつつも、結構じんわりくるものがあった気もする。
初読のときより自分が歳を取ったせいか、感じ方がずいぶん違ってきているようで。
主人公の画家は50代後半。最初に読んだ学生時代は、おじいさんってイメージだったのに、いま思えばまだ若い。せいぜい、おじさんじゃないかと。
ただ、この作品の時代は昭和だから、普通の会社員なら定年後なのかな。高校卒業した後は、進学より就職が多いっていう時代。そう思うと初老という言い方がぴったりな年齢なのかもしれない。
そういう昭和テイストが古臭いというより、いい時代だったなと思える。葉巻とコニャックが好きな初老の画家って設定は、昭和でも「え?」って感じなんだけど、平成よりは様になるような気がする。
この話の中で主人公の遠山が何かしたかというとそうでもなくて、崖を登ったのが最大の見せ場だったりする。学生時代は、なんだかなあと思った。いまは、なんとなく分かる、と思う。
若い頃はこんな無茶をしなかった遠山が、自分の絵を取り戻すために、好きな女性を守ろうと決める。ハードボイルドの中にぐらい、こんな男がいてもいいなあと。
ネタバレ
荒海を渡り、絶壁をよじ登って、男は女のもとへやってきた。「私がいる。おまえには私がいる!」ただその一言を伝えるために―。絵を描いて、生きてきた。暴力になど縁がない、と思ってきた。生命ひとつ分の弾丸よけにしかならないだろう。だが、決めたのだ。生ある限りおまえを護る。人生の秋を迎えた画家がめぐり逢った、若い女。過去も本名も知らない―何故追われるのかも。だが、女の瞳に真心を見たとき、男の何かが弾けた。海のような愛に包まれて、女の過去が融けてゆく―。再び熱き闘いの幕が開く。ブラディ・ドール・シリーズ、第4弾。
このあらすじを初めて読んだときは、笑ってしまった。
でも、再読の今回は「やっぱり凄いわ」なんて笑いつつも、結構じんわりくるものがあった気もする。
初読のときより自分が歳を取ったせいか、感じ方がずいぶん違ってきているようで。
主人公の画家は50代後半。最初に読んだ学生時代は、おじいさんってイメージだったのに、いま思えばまだ若い。せいぜい、おじさんじゃないかと。
ただ、この作品の時代は昭和だから、普通の会社員なら定年後なのかな。高校卒業した後は、進学より就職が多いっていう時代。そう思うと初老という言い方がぴったりな年齢なのかもしれない。
そういう昭和テイストが古臭いというより、いい時代だったなと思える。葉巻とコニャックが好きな初老の画家って設定は、昭和でも「え?」って感じなんだけど、平成よりは様になるような気がする。
この話の中で主人公の遠山が何かしたかというとそうでもなくて、崖を登ったのが最大の見せ場だったりする。学生時代は、なんだかなあと思った。いまは、なんとなく分かる、と思う。
若い頃はこんな無茶をしなかった遠山が、自分の絵を取り戻すために、好きな女性を守ろうと決める。ハードボイルドの中にぐらい、こんな男がいてもいいなあと。
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