黒銹

2011年7月23日 読書
角川書店 1991/03

昔、このシリーズの感想を書こうと思ったとき、叶の名前には必ずリンクを貼っておこうと決めていた。
で、リンク先には金魚の画像を置くつもりだった。素材屋さんで、よさそうな画像も探してあって、あとは感想を書くだけだったのだが、果たせなかった。
懐かしい思い出…。(なにが)
叶さんは好きですね~。

ネタバレ
獲物を追って、この街へやってきた。そいつの人生に幕を引いてやる、それが仕事のはずだった。妙に気になるあの男と出会うまでは―。惚れた女がやりたいと思うことを、やらせてやりたい―たとえ、それが自分への裏切りだとしても―。あの男はそう言って銃口に立ちふさがった。それが優しさ?それが愛ってもんなのか?私を変えたあの日、裏切りを許せなかった遠い過去が心に疼く。殺し屋とピアニスト、危険な色を帯びて男の人生が交差する。ジャズの調べにのせて贈るブラディ・ドール、シリーズ第五弾。

お喋りな殺し屋。
や、いくらハードボイルドの主人公でも殺し屋って倫理的にどうなのよ?って初読のときは引っかかった覚えがあるんだけど、今回は気にならなかった。殺し屋より、殺される側のほうが人道に悖るからかもしれない。

5巻は話としてもテンポがよくて面白くて、大勢のキャラが「キャラクター紹介」という感じではなく、魅力を発揮していて読み応えがある。
叶も共感しやすいというか、とりあえず行動の理由が分かりやすいから、話に入り込みやすかった。
叶は珍しく、川中よりキドニーに親しみを覚える人。ひねくれた感じもしないけど、やっぱり屈折したものがあるんだろうなあ。
叶を通して、キドニーの魅力もよく分かった。そういえば、キドニーは、遠山に対しては妙に素直だったな~。叶に対しては、気の置けない友達って感じで、なんだか安心した。

叶はN市に来る前に何かを喪失していたが、N市でピアニストに再会したことで、失ったものを思い出していく。取り戻すのではなく、思い出すだけ。それが切なくて、好きだなあ。
もっとも、叶はお喋りで明るい殺し屋だけど…。金魚、金魚。

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