角川書店 1992/03
医者。
ネタバレ
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正直、前半はあまり出来がよくない作品だと思う…。
主人公の流れ者?の医者が、事件に両足を突っ込みながら目を背けているんで、なんだかテンポも悪いし、なんでそんなとこで反抗するの?という気分になる。
いままで出てきたキャラクターが次々と紹介されていく過程も、長いシリーズものの宿命とはいえ、少しばかり残念な感じ。
まあはっきりいえば、桜内(主人公)があんまり好きじゃない。理不尽に対して逆らいたい気持ちは分かるんだけど、どうも桜内がやると子供の反抗みたいに思えてしまって。
腕もいいし、性格はひねくれているし、大人っぽく見えるが、中身は単なる甘ったれ。そんな印象が強かった。
で、桜内は積極的に事件に関わるわけじゃないのが、どうにも共感しづらくて。本当に無関係なんだから、さっさと回れ右して逃げればいいのに、なぜか顔を背けながら中心に向かって歩いていく。何がしたいのか、さっぱり分からない。
好きで怪我をして、自分で手術しました、としか。
遠山のやった無茶とか、秋山の意地なんかも、他人から見れば無意味だったかもしれないけど、なんか気持ちは分かった。
でも、桜内の行動や恋愛観は理解できない。というか、あまり興味が持てないままだった。
なんだかなーと読み進めるうちに、なぜか急に桜内が主役というよりむしろ物語の語り手になり、藤木の話になる。
1巻からずっと主役を食いそうなぐらい存在感のあった藤木の物語が、ようやく結末を迎える。男の生き様って感じで、格好いい最期だった。
『黙約』の主役は藤木だったと言われれば、納得できる。
医者。
ネタバレ
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正直、前半はあまり出来がよくない作品だと思う…。
主人公の流れ者?の医者が、事件に両足を突っ込みながら目を背けているんで、なんだかテンポも悪いし、なんでそんなとこで反抗するの?という気分になる。
いままで出てきたキャラクターが次々と紹介されていく過程も、長いシリーズものの宿命とはいえ、少しばかり残念な感じ。
まあはっきりいえば、桜内(主人公)があんまり好きじゃない。理不尽に対して逆らいたい気持ちは分かるんだけど、どうも桜内がやると子供の反抗みたいに思えてしまって。
腕もいいし、性格はひねくれているし、大人っぽく見えるが、中身は単なる甘ったれ。そんな印象が強かった。
で、桜内は積極的に事件に関わるわけじゃないのが、どうにも共感しづらくて。本当に無関係なんだから、さっさと回れ右して逃げればいいのに、なぜか顔を背けながら中心に向かって歩いていく。何がしたいのか、さっぱり分からない。
好きで怪我をして、自分で手術しました、としか。
遠山のやった無茶とか、秋山の意地なんかも、他人から見れば無意味だったかもしれないけど、なんか気持ちは分かった。
でも、桜内の行動や恋愛観は理解できない。というか、あまり興味が持てないままだった。
なんだかなーと読み進めるうちに、なぜか急に桜内が主役というよりむしろ物語の語り手になり、藤木の話になる。
1巻からずっと主役を食いそうなぐらい存在感のあった藤木の物語が、ようやく結末を迎える。男の生き様って感じで、格好いい最期だった。
『黙約』の主役は藤木だったと言われれば、納得できる。
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