鳥影

2011年7月30日 読書
角川書店 1993/01

立野。スーパーの経営者。
このシリーズにしては、ごく平凡な経歴&職業の持ち主だが、わりと印象は強く残っていた。息子とセットだからかな。
ちなみに、再読の前に1巻から一人ずつ主人公を思い出していって、どうしても「誰だっけ?」と思い出せなかったのは桜内だけだった…。

ネタバレ
男は、3年前に別れた妻を救うために、その街へやって来た。「なにからはじめればいいのか、やっとわかったよ。殴られた。死ぬほど殴られた。殴られたってことから、俺ははじめるよ」妻の死。息子との再会。男はN市で起きた土地抗争に首を突っ込んでいき、喪失してしまったなにかを、取り戻そうとする。一方、謎の政治家大河内が、ついにその抗争に顔を出し始めた。大河内の陰謀に執拗に食い下がる川中、そしてキドニー。いま、静寂の底に眠る熱き魂が、再び鬨の声を挙げる。“ブラディ・ドール”シリーズ第8弾。


スーパーの経営者ってことで経歴自体は平凡なのだが、無茶苦茶タフな上に、ヤクザに殴られても全然怖がらない。いくら北方ワールドでも、そんな…と思っていたが、怖がらないことに理由がある。すべてに白けてしまっているから。で、それが離婚の原因にまでなっている。
そういう男が少しずつ何かを取り戻していく。取り戻せないものもある。って辺りが父と子の絆を取り戻していく過程とともに、じっくり描かれていて、読み応えのある内容。(上から目線で申し訳ないが)小説としての出来もいい。
最後はうわあって感じだが、納得できる展開で、それだけに悲しい。

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