ふゆの仁子 フロンティアワークス 2011/4

このタイトルが素敵だと思えれば、きっとこの作品は面白いはず。

…すみませんが、突っ込み入れるだけの感想なんで、お好きな方はスルーしてください。

ネタバレ
お前のことは、おれが護る

オレ、門真千裕は巨大企業・結城コンツェルン当主の孫の身代わりになることに。そして、彼の命を狙っている姿の見えない犯人を炙り出すため、囮役も引き受けた。しかし! 結城の私設警護である阿部崇生は、初対面でオレにキスなんかしやがったとんでもないヤツで──!! 何もかもオレより優秀な崇生は、たとえどんなことがあってもオレを護ると豪語するけど──だからって、なんで色仕掛けの練習が必要なんだ? って、しかも男相手に!? ……冗談じゃねぇっっ!!


いやもう、設定自体がすでに…でも名称がまたすごい。
まず、主人公はあらすじに書いてある囮役を引き受けるために警察を辞めたのだが、警察にいるときの通称は「ナイフ」。(ちなみに、結城の屋敷の前で犯人に襲われたとき以外、ナイフは使用していない)
「結城の私設警護部」というのは、「ガーディアン」と呼ばれている。その呼称は名乗るとき相当恥ずかしいと思うのだが、ナチのSSの制服に似たデザインの制服を採用しているらしい。当主の趣味なのか…?
名前も見た目もすごい私設警護部だが、設定はもう手がつけられないことになっている…。
「国内で唯一、私的機関でありながら、非公式にではあるが、拳銃の携帯を許されている」って設定ですよ。非公式に許されるっていうのは「金を積んで黙認させている」という意味ではない。なんと警察のオリエンテーションで説明するそうだ。
百歩譲って、「先輩から噂を聞いた」程度なら、なんとか説明がついたんだろうが。もうここで破綻してます…。
…警護部の説明部分だけで、これだけツッコミどころがあるというのもすごい。

囮役を引き受けた主人公は接触してくる人間の情報を伝えるのが役目なのだが、警護部の人が「疲れていそうだから」という理由で報告を怠る。…いや、その人たちが疲れてるのは犯人捜ししてるせいだから、情報は渡してあげて?と言いたくなる。
そして、「当主の孫」として主人公がお披露目されるパーティーで、主人公は拉致されてしまう。狙われていると分かっている囮役から目を離すなんて、ガーディアンって組織はダメすぎないか?? …まあ囮の安全など一切考慮するに値せず、という非情な組織なのかもしれないが(笑)
そして、誰が犯人か分からないと言われているのに、「反対勢力に会わせてあげる」と言われて疑いもせず、誰にも告げずに1人でついていって捕まってしまう主人公。…元警察。
攻を活躍させるために、受が捕まってしまうという展開が必要なのは分かるが、もう少し捕まってもしょうがない状況で捕まってほしい。これじゃピーチ姫(敵に捕まるのがお仕事)だ。

ここまででもかなり息切れしていたのだが、とどめ。
そもそも主人公が結城の屋敷に行って、犯人に孫と間違えられて襲われたのは、当主から「会いに来てくれ」という手紙をもらったせい。
で、当主が主人公にその手紙を出したのは、主人公に一目惚れしていたという孫(攻)の恋をかなえるためだったと判明。でも、一目惚れしたのは1年前のこと。
なぜ、屋敷から出るのも大変なほど緊迫した時期に、相手を手紙で呼びつける必要が??

一つの話にこれだけ無理と突っ込みどころが詰まっているというのも、ある意味すごいです。

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