深呼吸

2011年11月23日 木原音瀬
リブレ出版 2011/11

面白かったけど、ちょっと感想書きづらいな。

ネタバレ
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珍しく穏やか系というか、日常に終始した話だった。
事件も事故も犯罪もなく、人生の浮き沈みもな……って書いてて、リストラとか海外への転勤は普通の人にとって大事件だわ、と思い出した(笑)
リストラされた谷地に悲壮感がなくて、海外の企業への転職は榛野にとっては大きな決断ではなかったから、さらっと流してしまっていたようで。
まあでも、そこは話のきっかけではあったけど、大きなポイントではなかった気がする。
いつもの木原作品なら感想を書くポイントは作品の内容で自動的に決まってしまうから選ぶ必要がないんだけど、今回はポイントを絞り込む必要があった分、少し感想が書きづらい。

谷地は癒し系だな~。わりと常識的で、穏やかなタイプ。日本家屋&猫とセットって感じ。確かに40過ぎてバイトでは金銭的に結婚は難しそうだけど、本人が満足してるなら、こういう生き方もいいと思った。
谷地とは真逆っぽい考え方の榛野が谷地に惹かれるのも分かる気がした。自分にはない、ある種の余裕に惹かれたのかな~と。
榛野は仕事はできるけど、ほんと、他人の心が分からないタイプだと思った。弁当屋の同僚が「少しぐらい気持ちを察すればいいのに」って言ってたのが、まさにそのとおりって感じ。
なんだか宇宙人みたいな感覚だったり、非常識だったりするキャラが出てきても、こういう真っ当な感覚も同時に書かれてるあたりが、木原作品の安心ポイントだなーと。いや、先行き不安感のほうが大きくて、決して安心して読めないけど(笑)
そういや、最初は榛野の空気の読めなさというか、マイペース過ぎるところがちょっと…って思ったけど、続編のほうでは谷地の鈍さも相当だなーって思ったから、どっちもどっちって感じなのかな…。

谷地が榛野に好意を持ったのは、一緒にいて情がわいたっていう部分が大きい気がした。で、榛野は谷地といると落ち着くっていう理由で愛情が深まったのかな~って気がする。
そういう理由で付き合いだしたのなら、なんか長続きしそう。

1のラストがよかったから、ここで終わってもよかったなーと思った。まあ、BLの場合、ここで終わりって話を刊行するのは恐らく無理だと思うし、本当にここで終わりだったら、「続き~~!!」って感想になったけど(笑)
だから、ここで一旦区切りがついてるのがいいなーと。
で、2もすごく楽しかったから、続きを書いてくれてよかったなーとしみじみ。

谷地の家でほのぼのしてる場面と、2人で料理を作る場面と、マフラーのエピソードがとくによかった。

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