月一滴

2012年3月3日 かわい有美子
かわい有美子 笠倉出版社 2012/02

『透過性~』のスピンオフ。
このシリーズ、カバーイラストが毎回いいなあ。
今回は裏表紙の折り返した部分もネイビーで、既刊の宣伝までなんだかおしゃれだった。

ネタバレ
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面白かった。
頑張ってるけど、なんだか不運な橋本が、いい相手にめぐり合えてよかったなあと。最初、飯島とのやり取りに腹も立てない橋本にイラッとした。人前で他人に恥をかかせるのは、どう考えても嫌な奴だと思うんだけど。
けど、まあ…こののんびりしたところが長所でもあるし、こういう人もいるよね、とだんだん慣れてきた。
嵯上のほうは、普通に優しくて、人よりちょっと頼りになるかな。カッコよくもあると思う。けど、あまり印象に残らなかった。ストーカーから守ってくれたり、落ち込んでるときにそばにいてくれたり、見せ場もあったのに。
嵯上の視点も結構入ってくるのに、仕事場で恩師と話しているとき以外、とくに思い出す場面がない。うーん…。

このシリーズ、好きだけなんだけど。
最初に『透過性~』のスピンオフ、と書いた。
毎回、主役が変わるシリーズの3冊目なのに、1冊目の『上海金魚』ではなく、わざわざ2冊目の『透過性~』を出して、「スピンオフ」と書いたのにはわけがある。
『透過性~』の二人が必要以上に目立ちすぎで、興醒めしたから。
二人も好きなんだけど、橋本と嵯上の話なのに、脇カップルみたいな扱いはどうなのか…。初デートの場面で長々と関係のない北嶋の話されてもさあ……。
なんか牧田さん素敵~、北嶋、相変わらずアホやね~というノリの合間に、いつの間にか橋本と嵯上が両思いになっていたような。
それぐらい、無駄に牧田と北嶋が出張ってた。そんなに書きたいなら、『透過性~』で続編出せばいいのに、と思ってしまった。(同人誌は出てたと思うけど)
いくら地味でも主役の橋本に、常にスポットライトを当ててほしい。
脇役タイプを主役にすえておいて、脇役扱いしてどうするよ?

これ、シリーズものじゃないほうが、面白かっただろうなあ。

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