テルマエ

2012年5月2日 映画
映画観てきた。
朝9:30っていう早い回なのに結構混んでたのは、連休中で雨だから?


ネタバレ
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まあ面白かった。
前半は、原作のあれもこれもとネタを詰め込んでいて、あの場面を実写化するとこうなるのか~という、原作付ならではの面白さがあった。
活気ある古代ローマの街並みや浴場もよかった。

が。
脚本が下手くそ。
最初は笑えたものの、だんだん映画のストーリーの雑さが目に余ってくる。

例えば、1話読み切りの原作では意味のあった奥さんの浮気も、映画(ストーリーの一部)としては何の意味があるのかさっぱり分からない。
ルシウスが暴漢に襲われた理由も、原作を知らないと、たぶん意味が分からない。

ルシウスが上戸彩のいる場所だけに出てくるという設定も不自然で。漫画の「現代日本にタイムスリップして風呂文化を学ぶ機会を得る」という設定の強引さは、それ自体がネタみたいなものだから笑えるんだけど、上戸彩演じるヒロインには実家が温泉旅館という以外とくに風呂との関係もなく、「華が足りないので、無理やりヒロイン作ってみました」という意図しか見えない……。

そして、原作では「呆れちゃうところが多くて頼りないが、どこか憎めない」というキャラ設定のケイオニウスを、気に入らない人間を陥れる悪役として設定しているところがなんとも残念。人情コメディのテルマエに悪役は必要ないだろうに。北村一輝使ってるんだし(人情系の役にぴったり)、もうちょっとフォロー欲しかったかな。

ヒロインの実家が赤字経営の温泉旅館という設定なのに、ルシウスとの出会いは何の影響も与えていないところも雑すぎる。もちろんすべての設定に意味を持たせる必要はないけど、風呂映画で温泉旅館そのものを無意味にしちゃうのは、あまりに雑では?

それと、ルシウスの悩み「自分は平たい顔族の文化を模倣しているだけ」に対して、ヒロインの言葉はいかにも物足りない。その場凌ぎの慰めにしかなっていないような…。そんな中途半端な回答を出すぐらいなら、その悩みには触れないほうがよかった。浴場技師として優秀なんだから、他にいくらでも納得のいく回答は作れるのに。

最後に。平たい顔族の異文化に触れてルシウスがカルチャーショックを受けるのが原作の面白さの1つなのに、タイムスリップしてきたヒロインたちが古代ローマの文化にほとんどまったくといっていいほど関心を示さないところがとても残念。

盛り上げよう、感動させようっていう工夫が、空回りしているように感じてしまった。

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