椎崎夕 大洋図書 2012/01

3冊目。完結。
1冊目と2冊目でかなりボロクソ書いたんで、もういいかなーという気もしたが、「まあとにかく最後まで読んでから感想も言いたい」と書いたので、とりあえず完結まで読んでみた。

後半ロスタイムに逆転することだってあるかもしれないし?
サヨナラスリーランだってあるかもしれないし?
そうそう、この間の女子ツアーじゃ、最終ホールでイーグルとって逆転優勝っていうドラマもあった!(久々にいいものを見たよ)

ネタバレ
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正直、2冊でまとめてほしい内容だった。
なんか攻と恋人関係になったことより、お祖母ちゃんとの関係が修復できてよかったね、というような感想。ちょっとお祖母ちゃんに比重が偏りすぎてて、攻はいいとこなしだったような。

とはいえ、攻の高島の気持ちは理解しやすい。好き嫌い(共感できるかどうか)はともかくとして、感情の流れは理解できた。しょーもない男だなーと思いつつ、不幸な生い立ちだから同情の余地もある。
けど、最初から最後まで受の智之には感情移入しづらかった。。…なんか、あまり物を考えていないように感じてしまって。弁護士が「きみに足りないのは、自分の頭で考えて~」と言った台詞に深く頷いてしまった。うん、自主性がなさ過ぎて、読んでて疲れるんだわ。
智之は「復讐のために愛人になれ」と言われて、「好きだから一緒にいる」と答える人間なんで、考え方が理解できたとしても、私には共感できるとは思えない。

まあ全部うまくいって後味はよかった。これで後味が悪かったら、本を投げてたかもしれないが、そこはきっちり。
…ただ、それがまた(私にとっては)問題で、1、2巻で「ここまでやっておいて、後味よく終わるのか?」と疑問に思った箇所は、強引にまとめられていて、納得とは程遠い展開だった。
まず、主人公のことを守ろうとしていたという、祖母&弁護士の態度は、不器用とかいう言葉では片付けられないものがある。罪悪感を負わせないために真実を隠してきたというが、祖母の冷たい態度が原因で「自分は許されない人間なんだ」と余計に追い詰められていたわけで、…愛情があったというなら、いくらなんでも変でしょう、としか思えない。とくに、弁護士のほうが感情的に詰っていた理由が、いまだに分からない。情緒不安定なおじいさんなのか?
「罪悪感があるから」という理由で成人してからも1度も連絡してこなかった兄の態度も普通では考えられないし。高島のことを心配していたという生野も、1巻での主人公に対する常軌を逸した態度はなんだったのか?
なんか、揃いも揃っておかしい人ばかり。おかしい人たちが、急にいい人になってしまう(?)最終巻には違和感があった。話を盛り上げるために、一番肝心な「感情」という部分をご都合主義で動かしてしまったような。このへんが嘘っぽくて、どうにも……。
そういう意味では、異様に思える攻の高島の執着が、この作品の中では一番ブレがなくて、本物っぽかったかもしれない。

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