洸 徳間書店 2008/09

テンポがよくて面白かった。

ネタバレ
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テーマの割りに爽やかな作風で読みやすい。レイプされた心の傷を、「上書き」で忘れよう、という無茶なストーリーなんだけど(笑)
アメリカの刑事ものラノベとして、目新しさはないんだけど、「どこかで読んだような」感もない、…と思う。

とにかくバランスがいい作品だった。
攻のほうは大らかさと気遣いのバランスがよかったし、受のほうは意地を張るところと素直になるところのバランスがちょうどよかった。
キャラとして立っていながら、デフォルメが行き過ぎないところが好み。

惹かれあう過程もごく自然で、事件の捜査と二人の関係の進展が上手く重なっていた。適度に甘く、仕事はきっちりってところもいいなー。
「相棒」という言葉に相応しい、対等な関係が好ましかった。

…文章に癖がないのもいい。個人的には「誰にでも書けそうな文章」ってやつが、一番読みやすくて上手い文章だと思っているから、さらっと読める文章は、どうしても高評価してしまう。

この長さの話にこれだけの要素を詰め込んでいるのに、詰め込み感がなくて、さらっと読めるところがすごい。
良質のエンタメ作品。

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